社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
福祉行財政と福祉計画 問46

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問題

社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 福祉行財政と福祉計画 問46 (訂正依頼・報告はこちら)

次の各計画の策定を規定している法律に、計画の実績について評価を行うと明記されているものを1つ選びなさい。
  • 市町村自殺対策計画
  • 市町村介護保険事業計画
  • 市町村障害者計画
  • 市町村子ども・子育て支援事業計画
  • 市町村老人福祉計画

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は『2』です。

介護保険法第117条第7項より、
「市町村は、第二項第三号に規定する施策の実施状況及び同項第四号に規定する目標の達成状況に関する調査及び分析を行い、市町村介護保険事業計画の実績に関する評価を行うものとする」と定められています。


その他の選択肢の解説は以下のとおりです。

1→自殺対策基本法に規定されている、市町村自殺対策計画の策定。
計画の実績について評価を行うことは明記されていません。
また、厚生労働省『市町村自殺対策計画策定の手引』より、推進状況の評価・公表については示されていますが、市町村単位の自殺対策においては、それぞれの事業の取組によって自殺が減ったという結果がすぐに現れるわけではないため、自殺を減らす手段として適正であったかというプロセスを評価すべきだとしています。

3→障害者基本法に規定されている、市町村障害者計画の策定。
計画の実績について評価を行うことは明記されていません。
ただし、『市町村障害者計画策定指針』より、
「市町村は、計画の実施状況について、定期的に調査、把握する。計画の策定と同じように、計画の実行及び実施状況の把握・点検は重要である」
としています。

4→子ども・子育て支援法に規定されている、市町村子ども・子育て支援事業計画の策定。
毎年度の状況の点検・評価については、同法ではなく基本指針で定められています。

5→老人福祉法に規定されている、市町村老人福祉計画の策定。
同法では計画の実績について評価を行うことは明記されていません。
ただし、市町村介護保険事業計画にかかる基本指針において、市町村老人福祉計画の作成や推進にまつわる課題を分析・評価し、その結果を次期の市町村介護保険事業計画の作成に活用することが大切だと示しています。

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02

正解は2です。

市町村介護保険事業計画の評価については、介護保険法に明記されています。
市町村介護保険事業計画は3年を1期とし、市町村老人福祉計画と一体的に策定されます。
市町村介護保険事業計画では、認知症対応型共同生活介護等の必要利用定員総数や、サービス種類ごとの量の見込みを必ず定めることとしています。

その他の選択肢については、以下の通りです。

1.市町村自殺対策計画は、自殺対策基本法で規定されています。
計画策定は任意で、市町村地域福祉計画の中に自殺対策の内容を盛り込んでも良く、地域の実情を鑑みて計画を策定していくこととされています。
自殺対策基本法の中では計画の評価についての明記はありません。
しかし、市町村自殺対策計画策定の手引では、評価指標を盛り込む旨の記載がありますので、確認しておくと良いでしょう。

3.市町村障害者計画は、障害者基本法に規定されており、評価を行う明記はありません。
市町村障害者計画の策定は義務化されています。
また、混同しやすいのが障害者総合支援法に規定されている「市町村障害福祉計画」という福祉計画もあります。
どちらも確認しておくと良いでしょう。

4.市町村子ども・子育て支援事業計画は、子ども・子育て支援法に規定されており、評価の実施は明記されていません。
計画策定は5年を1期とし、義務化されています。

5.市町村老人福祉計画は老人福祉法に規定されており、評価の実施は明記されていません。
市町村老人福祉計画の策定は義務で、介護保険事業計画と一体的に策定しなければなりません。

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03

法律上には規定されていなくても、
基本方針で実績評価について明記されているものもあり、
非常に厄介な問題です。

1× 市町村自殺対策計画は
自殺対策基本法(13条2項)に根拠を置きますが、
実績の評価については規定されていません。
ちなみに、厚生労働省の市町村自殺対策計画策定の手引きでは、
策定のプロセスに実績評価を入れています。

2○ 正しいです。(介護保険法117条7項)

3× 市町村障害者計画は障害者基本法(11条3項)に根拠を置きますが、
実績の評価について規定されていません。

4× 市町村子ども・子育て支援事業計画は
市町村子ども・子育て支援法(61条)に根拠を置きますが、
実績の評価については規定されていません。
しかし、基本方針では評価について明記されていますので、注意しましょう。

5× 市町村老人福祉計画は老人福祉法(20条8項)に根拠を置きますが、
実績の評価については規定されていません。

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04

正答【2】

1.誤答 
市町村自殺対策計画の策定は、「自殺対策基本法第13条第2項」で規定されています。
市町村は、自殺総合対策大綱及び都道府県自殺対策計画並びに地域の実情を勘案して、「市町村自殺対策計画」を定めるものとする、と規定されています。しかし、同法律では評価については明記されていません。
ただし、厚生労働省から発行されている「市町村自殺対策計画策定の手引き2017年(平成29年)」には、市町村自殺計画の推進状況の評価・公表について明記されています。


2.正答 
市町村介護保険事業計画の策定は、「介護保険法第117条第7号」で規定されいています。
市町村は、第2項第3号に規定する施策の実施状況及び同項第4号に規定する目標の達成状況に関する調査及び分析を行い、市町村介護保険事業計画の実績に関する評価を行うものとする、と評価について明記されています。


3.誤答 
市町村障害者計画の策定は、「障害者基本法第11条第3項」で規定されています。
市町村は、障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画を策定しなければならない、と明記されていますが、評価についての明記はありません。

ただし、「市町村障害者計画策定指針(1995年)」においては、市町村は、計画の実施状況につい調査、把握する、旨の記載されています。


4.誤答 
市町村子ども・子育て支援事業計画の策定は「市町村子ども・子育て支援法第61条」で規定されています。
市町村は、内閣総理大臣が定める基本指針に即して5年を1期として子ども・子育て支援事業計画を策定するとしていますが、同法においては評価についての明記はありません。
ただし、同法60条第1項の規定に基づく基本方針には「達成状況の点検及び評価」について明記されています。


5.誤答 
市町村老人福祉計画の策定は、「老人福祉法第20条の8」で規定されています。
市町村は、老人居宅生活支援事業及び老人福祉施設による事業の供給体制の確保に関する計画を定めるものとすると明記されていますが、市町村老人福祉計画の実績・評価については明記されていません。

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