社会福祉士の過去問
第33回(令和2年度)
更生保護制度 問150

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問題

社会福祉士試験 第33回(令和2年度) 更生保護制度 問150 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、保護観察に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
Aさん( 47歳、男性)は、覚醒剤取締法違反により懲役2年執行猶予4年の保護観察付きの刑の言渡しを受けた。今まで頻繁に転職を繰り返し就労経験に乏しく、現在も無職である。親の遺産で生活できており、経済的には今すぐ困窮するような状況ではない。薬物使用に関する罪悪感や後悔の念が薄いことが懸念されている。
  • Aさんの指導監督における、更生保護法が定める一般遵守事項としては、薬物再乱用防止プログラムを受けることが明記される。
  • Aさんは、薬物再乱用防止プログラムの実施期間中、簡易薬物検出検査を受けることまでは求められない。
  • Aさんへの指導監督において、保護観察官若しくは保護司は、収入又は支出の状況など、生活実態に関する資料の提出を求めることはできない。
  • Aさんのプライバシー保護のため、薬物再乱用防止プログラムには外部の関係機関(者)は関与することはできない。
  • 薬物依存の改善に資する医療を受けるよう、必要な指示その他の措置をとる場合は、あらかじめ、Aさんの意思に反しないことを確認しなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1、不適切です。更生保護法が定める一般遵守事項とは、保護観察処分を受けている対象者全員につけられるルールの事を言います。薬物再乱用防止プログラムの受講は、保護観察処分を受けている人それぞれの問題性に応じて定められる「特別遵守事項」にあたり、薬物の所持や使用等によって保護観察処分を受けた人や、それらが原因で刑務所等に収容され、仮釈放となった人などのみに課せられるものとなります。

2、不適切です。Aさんは薬物再乱用防止プログラムを実施している間は、簡易薬物検出検査を定期的に受ける事が必須となります。薬物再乱用防止プログラムにおいては、簡易薬物検出検査を受け、陰性の結果を検出する事を目標にして、断薬意思の強化を行う事としています。

3、不適切です。保護観察官若しくは保護司に対して生活実態に関する資料の提出を行う事は、「一般遵守事項」として定められている内容の一つとなります。保護観察官や保護司はその内容に基づき、対象者に対して助言や指導を行う事とされています。

4、不適切です。薬物再乱用防止プログラムにおいては、簡易薬物検査を外部機関に委託したり、コアプログラム修了後のステップアッププログラムで外部の専門機関などと連携し、民間支援団体の見学などを行う事があります。対象者の支援においては、関係機関との連携を密にして取り組む事が求められます。

5、適切な内容です。薬物依存の改善に資する医療であったとしても、医療行為を受けるか否かについては、本人の意思決定を尊重する必要があります。Aさんの意思に反しないかどうかを確認した上で実施する事が不可欠であると言えます。

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02

正解は5です。

薬物依存の改善のための医療を受けるかどうかは、本人の意思確認の上で判断されます。

各選択肢については以下のとおりです。

1→薬物乱用防止プログラムは特別遵守事項にあたります。一般遵守事項は、保護観察の対象者全員が守らなければならないものです。

2→薬物再乱用防止プログラムの実施期間中に、簡易薬物検出検査は受けることになるため誤りです。

3→保護観察対象者が生活実態に関する資料を保護観察官や保護司に提出することは、一般遵守事項に定められています。

4→薬物再乱用プログラムは、外部の関係機関とも連携して行われるため誤りです。

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03

正解は5です。

1.不適切です。「一般遵守事項」ではなく、「特別遵守事項」です。

2.不適切です。薬物再乱用プログラムでは、簡易薬物検出検査で陰性の検査結果を出すことを目標に断薬意志の強化を図っています。

3.不適切です。提出を求めることができます(更生保護法第50条(一般遵守事項)参照)。

4.不適切です。薬物再乱用防止プログラムには、「外部の関係機関(者)」が関与しています。

5.適切です。

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