社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
地域福祉の理論と方法 問41

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 地域福祉の理論と方法 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、N市社会福祉協議会の職員であるC社会福祉士が企画したプログラム評価の設計に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
N市社会福祉協議会は、当該年度の事業目標に「認知症の人に優しいまちづくり」を掲げ、その活動プログラムの一つとして認知症の人やその家族が、地域住民、専門職と相互に情報を共有し、お互いを理解し合うことを目指して、誰もが参加でき、集う場である「認知症カフェ」の取組を推進してきた。そこで、C社会福祉士は、プログラム評価の枠組みに基づいて認知症カフェの有効性を体系的に検証することにした。
  • 認知症カフェに参加した地域住民が、認知症に対する理解を高めたかについて検証するため、ニーズ評価を実施する。
  • 認知症カフェの取組に支出された補助金が、十分な成果を上げたかについて検証するため、セオリー評価を実施する。
  • 認知症カフェが、事前に計画された内容どおりに実施されたかを検証するため、プロセス評価を実施する。
  • 認知症カフェに参加する認知症の人とその家族が、認知症カフェに求めていることを検証するため、アウトカム評価を実施する。
  • 認知症カフェが、目的を達成するプログラムとして適切に設計されていたかを検証するため、効率性評価を実施する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 3 です。

1.ニーズ評価では、何を必要としているのかを考えます。

ここでは、結果から検証するため、アウトカム評価を用います。

2.セオリー評価は、質や内容を評価します。

ここでは、補助金に対する取組の効果を検証するため、効率性評価を用います。

3.正解です。プロセス評価とは、そこに至る過程(プロセス)を評価します。

4.アウトカム評価は、結果(成果)から、効果的であったかどうかを評価します。

ここでは、何を求めているのかを検証するため、ニーズ評価を用います。

5.効率性評価とは、活動量に対してコストが適切であったかを評価します。

ここでは、質や内容を検証するため、セオリー評価を用います。

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02

本設問では、選択肢に示されている評価方法について理解しておく必要があります。

選択肢1. 認知症カフェに参加した地域住民が、認知症に対する理解を高めたかについて検証するため、ニーズ評価を実施する。

✕ ニーズ評価とは、福祉サービス利用者などが持つ希望や理想(ニーズ)と現在置かれている状況がどの程度乖離しているか、それを理想の状況に近づけるためには何が不足しているかを知るための評価方法です。

選択肢の内容は、地域住民の認知症に対する理解をどの程度深められたかという結果の把握をするため、「アウトカム評価」の実施が適切な方法であると考えられます。

選択肢2. 認知症カフェの取組に支出された補助金が、十分な成果を上げたかについて検証するため、セオリー評価を実施する。

✕ 活動に対するコストが適切であったかどうかを判断するための調査手法としては、効率性評価の実施が適しています。

選択肢3. 認知症カフェが、事前に計画された内容どおりに実施されたかを検証するため、プロセス評価を実施する。

〇 事前に計画された通りの手順で実施されたかどうかを確認する方法としては、プロセス評価が適しています。

選択肢4. 認知症カフェに参加する認知症の人とその家族が、認知症カフェに求めていることを検証するため、アウトカム評価を実施する。

✕ アウトカム評価は活動実施後の結果から評価する物です。

認知症カフェに求めている内容を検証するのであれば、ニーズ評価の実施が適切な手法と言えます。

選択肢5. 認知症カフェが、目的を達成するプログラムとして適切に設計されていたかを検証するため、効率性評価を実施する。

✕ プログラムが目的達成のために適切に設計されていたかどうかを確認するためには、セオリー評価を用いるのが適切です。

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03

正解は、 です。

1 不適切です。ニーズ評価は、認知症カフェ開催後に実施するものではありません。

2 不適切です。セオリー評価は適しません。

3 適切です。評価結果は、次回開催する上での材料にすることができます。

4 不適切です。「アウトカム」とは、成果や効果を意味しますので、求めていることを検証する際に用いることには適しません。

5 不適切です。事例から認知症カフェは効率性を重視するものでもなく、そのように評価することは適さないことがわかります。

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