社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
保健医療サービス 問74

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 保健医療サービス 問74 (訂正依頼・報告はこちら)

患者の治療方針の決定に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 肝臓がんとの診断を受けたAさん(66歳)は、インフォームドコンセントとして、検査結果の内容と今後の治療方針について医師から説明を受け、治療に同意した。
  • 終末期にあるBさん(52歳)の家族は、インフォームドチョイスとして、本人に気付かれないように主治医と治療方針を決定した。
  • 小児がん患者のCちゃん(11歳)の保護者は、インフォームドアセントとして、本人の意思を確認せずに終末期医療における延命医療の拒否を医師に伝えた。
  • 終末期にあるDさん(78歳)と家族と医療従事者は、パターナリズムモデルに従って、繰り返し治療選択について話し合い、意思決定を行った。
  • E医師は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行したFさん(48歳)の意思を推測し、心肺停止時に心肺蘇生(そせい)措置をしない旨をリビングウィルとしてカルテに記載した。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1 です。

1.記載のとおりです。

 インフォームドコンセントとは、治療や手術を受ける際に前もってその内容や期待される効果およびリスクについて医師から十分に説明を受けた上で、今後の方針を患者が決定・同意することです。

2.この内容は誤りです。

 インフォームドチョイスとは、患者が医師から説明を受けた上でどんな治療を受けるか患者自身が選択することです。

3.この内容は誤りです。

 インフォームドアセントとは、治療を受ける小児患者に対して、治療について理解できるようにわかりやすく説明をし、その内容について子ども本人の理解・納得を得ることです。

 保護者が判断したり決定するものではありません。 

4.この内容は誤りです。

 パターナリズムモデルにおいては、医師が今後の方針についての意思決定の中心になります。

 医師が望ましいと判断した方針のみ説明し、患者には選択肢が無い状態です。

5.この内容は誤りです。

 リビング・ウィルとは、終末期を迎えたときの治療方針について事前に意思表示しておく文書のことです。

 医師が患者の意思を推測して書くものではありません。

参考になった数67

02

1、適切な内容です。インフォームドコンセントとは、患者自身が病状や治療内容に対する説明を受け、それに納得した上で治療を受ける事を言います。

Aさんは医師から検査結果の内容と今後の治療方針について医師から説明を受け、納得した上で治療に同意しています。

2、不適切です。インフォームドチョイスとは、患者の病気の治療方法について、いくつかの選択肢を示した上で患者自身に治療方法を選んでもらう事を言います。その際、治療方法のメリット・デメリットを説明した上で患者自身に治療方法を選択してもらう事となります。

本選択肢においては本人の意思確認を行う事無く主治医と家族で治療方針を決定しているため、インフォームドチョイスを行っているとは言えません。

3、不適切です。インフォームドアセントは小児を対象にした治療を行う際に、患者である小児に対して、その理解度に合わせた治療内容の説明を行い、その治療方針に対する同意を得る事を言います。

本選択肢においては保護者がCちゃんに意思確認をする事無く、医師に延命医療の拒否を伝えているため、インフォームドアセントを行っているとは言えません。

4、不適切です。パターナリズムモデルは医師の判断に基づいて治療方針を決定する事を言います。パターナリズムモデルにおいては患者の意思が反映される事はなく、医師の判断が優先されるため、本選択肢においてはパターナリズムモデルに基づいた支援を行っているとは言えません。

5、不適切です。リビングウィルとは、患者が元気なころから患者自身に対して最期にどのような対応をしてもらいたいか意思表明をしておいてもらう事を言います。

本選択肢においては医師がFさんの意思を推察しており、Fさん自身の言葉や文章などでの意思表明はされていないため、心肺停止時に心肺蘇生措置をしないという処置をリビングウィルという事はできません。

参考になった数19

03

正解は、1番です。

1、インフォームドコンセントは医療法において、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないとされています。問題文にあるような対応は、適切であるといえます。

2、インフォームドチョイスとは、患者が医師から説明を受けた上でどんな治療を受けるか患者自身が選択することです。

3、インフォームドアセントとは、子どもの理解度に応じてわかりやすく臨床試験について説明し、子ども自身の発達に応じて理解を持って了承することです。

4、パターナリズムとは、援助者が権威的な立場を利用し、利用者の意思に関わりなく、利用者の利益のために、利用者の代わりに意思決定を行うことです。

5、リビングウィルとは、本人の死の迎え方の希望を言います。援助者は、その本人の意思を尊重するようにしなければなりません。そのため、問題文にあるような推測では、十分に本人の意思を汲み取ることは困難であると判断します。

参考になった数15