社会福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
相談援助の理論と方法 問4

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 相談援助の理論と方法 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、就労継続支援B型事業所のE職員(社会福祉士)が、クライエントに危険が及ぶような行動を減らすために、行動変容アプローチを応用して行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
知的障害があるFさん(20歳)は、作業中に興味があるものが目に入ると勢いよく外に飛び出してしまうことや、作業時間中でも床に寝転がること等の行動が度々あった。寝転がっているところに起き上がるよう声かけを行うと、引っ張り合いになっていた。Fさんのこれらの行動は、職員や仲間からの注目・関心を集めていた。そこで、Eは、Fさんが席に座って作業を継続することを目標行動にして支援を開始した。
  • Fさんが何かに気を取られて席を立つたびに、報酬を与える。
  • 支援を始めて1か月後に、目標行動の変化を評価しベースラインをつける。
  • 不適切行動のモデリングとして、職員が寝転がって見せる。
  • 作業が継続できるたびにベルを鳴らし、ベルの音と作業を条件づける。
  • 寝転がる前の先行条件、寝転がった後の結果といった行動の仕組みを分析する。

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この過去問の解説 (1件)

01

行動変容アプローチを応用して行う対応について、理論と具体的な事例を結びつけて整理しておきましょう。

選択肢1. Fさんが何かに気を取られて席を立つたびに、報酬を与える。

行動変容アプローチは学習理論を活用して問題行動の変化を目指すもので、褒められる行動に報酬を与えることが効果的です。しかし、席を立つたびに報酬を与えると、逆にその行動が強化されてしまいます。

選択肢2. 支援を始めて1か月後に、目標行動の変化を評価しベースラインをつける。

シングル・システム・デザインにおけるベースラインとは、支援前の状態を指し、支援後の状態変化と比較して評価します。

選択肢3. 不適切行動のモデリングとして、職員が寝転がって見せる。

モデリングは適切な行動の学習を促しますが、誤った行動のモデリングは不適切な行動を学習させる恐れがあります。

選択肢4. 作業が継続できるたびにベルを鳴らし、ベルの音と作業を条件づける。

ベルの音と作業を結びつけるレスポンデント条件づけではなく、自発的な行動には賞罰を与えるオペラント条件づけが適しています。

選択肢5. 寝転がる前の先行条件、寝転がった後の結果といった行動の仕組みを分析する。

行動の背景条件や結果などを分析する応用行動分析を行うのは適切です。この手法はスキナーにより提唱され、行動が環境に影響を受けるという前提で、問題行動の前後の状況を分析し解決策を見出します。

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