社会保険労務士の過去問
第45回(平成25年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問1

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問題

社労士試験 第45回(平成25年度) 択一式 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、就業規則、給与規程等に基づき、事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。
  • 任意継続被保険者の資格取得の申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならないが、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても受理することができる。なお、判例によると「法律の不知」によるという主張は、この場合の正当な理由にあたらないものと解されている。
  • 現物で支給される食事や住宅は、厚生労働大臣が都道府県ごとに告示で定めた現物給与の価額に基づいて報酬に算入する(健康保険組合が規約で別段の定めをした場合を除く。)。なお、現物給与の価額の適用に当たっては、被保険者の勤務地(被保険者が常時勤務する場所)が所在する都道府県の現物給与の価額を適用することを原則とし、派遣労働者については、派遣元と派遣先の事業所が所在する都道府県が異なる場合、派遣先事業所が所在する都道府県の現物給与の価額を適用する。
  • 適用事業所に使用されるに至った日とは、事実上の使用関係の発生した日であり、事業所調査の際に資格取得届のもれが発見された場合は、すべて事実の日にさかのぼって資格取得させるべきものである。
  • 引き続き1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者期間、特例退職被保険者期間又は共済組合の組合員である期間を除く。)を有し、資格喪失後6か月以内に出産した者が、健康保険の被扶養者になっている場合、請求者の選択により被保険者本人としての出産育児一時金、又は被扶養者としての家族出産育児一時金のいずれかを受給することとなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.正しい
報酬とは「労働の対償として支払われるものである」と規定されていますので、労働していない期間については当然に控除された金額で計算することになります。

2.正しい
単に法律の不知という理由は、やむを得ない理由とはされません。また、任意継続被保険者のキーワードは「2」ということも併せて覚えておいて下さい。

3.誤り
「派遣先」ではなく、「派遣元」です。どちらの事業所に雇用されているかがポイントです。

4.正しい
資格取得時期については、設問のように使用され始めた日にさかのぼって適用させる形をとっています。

5.正しい
資格喪失後の出産育児一時金については、いずれか一方を選択して受給する形になります。

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02

 正解(誤っているもの)は、3です。

 1 正しい内容です。
「標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いについて」(平成18年5月12日庁保険発第0512001号)において、4月、5月、6月における支払基礎日数の算定に当たっては、「月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数によること。」と通知されています。

 2 正しい内容です。
 健康保険法第37条1項が、「第三条第四項(任意継続被保険者資格取得)の申出は、被保険者の資格を喪失した日から二十日以内にしなければならない。ただし、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができる。」と定めています。
 判例については、最高裁判決において、「被保険者資格を喪失した者が右資格を継続するには資格喪失の日から10日以内にその申請をしなければならない旨の健康保険法第20条第1項の規定を知らなかつたために右期間を徒過するに至つたということだけでは、右期間経過後に資格継続の申請をするにつき正当の事由があるということはできない。」と判示されています(第2小判昭和36年2月24日)。

 3 間違っています。
「厚生労働大臣が定める現物給与の価額の取扱いについて」(平成25年2月4日 保保発0204第1号、年管発0204第1号)が、現物給与の価額の適用に係る取扱いについて、「派遣労働者については、派遣元事業所において社会保険の適用を受けるが、派遣元と派遣先の事業所が所在する都道府県が異なる場合は、派遣元事業所が所在する都道府県の現物給与の価額を適用すること。」と定めています。

 4 正しい内容です。
「被保険者資格取得日決定ニ関スル件」(昭和5年10月27日保険第四三六三号、社会局保険部長あて福岡県知事照会)が、「被保険者資格取得調査ノ際往々ニシテ届出漏数箇月又ハ一箇年以上ヲ経過セシモノヲ発見スルコトアリ斯ル場合ニ於ケル被保険者ノ資格取得日決定ニ関シ疑義有之左記執レニヨリ決定スヘキヤ至急何分ノ御指示相煩度伺上候也」に対する社会局保険部長回答「昭和5年11月6日保規第522号」において、「標記ノ件右ハ凡テ事実ニ基キ資格ヲ取得セシムヘキモノニ有之」といった解釈がなされてきました。

 5 正しい内容です。
「健康保険法および日雇労働者健康保険法の一部改正に関する疑義について(抄) 」(昭和48年11月7日(保険発第99号・庁保険発第21号)において、「資格喪失後六か月以内に分娩した者が健康保険の被扶養者になつている場合、次により取り扱つてよいか。
(1) 被保険者本人としての分娩費を受給するか、被扶養者としての配偶者分娩費を受給するかは請求者の選択にまかせる。
(2) (1)により被扶養者としての配偶者分娩費を受給した者でも、出産手当金は受給できる。
答 (1)、(2)ともご見解のとおり取り扱つてさしつかえない。」という解釈が示されています。

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03

正解は 3 です。

※厚生労働省からの通達(下記の「平成18年5月12日庁保険発第0512001号」等) で略語の意味は下記の通りです。

庁保険発・・・社会保険庁(旧)医療部長又は保険課長名通達
保保発 ・・・厚生労働省保険局保険課長名通達
保規  ・・・東京市電気局長あて社会局保険部長回答
保険発 ・・・保険局保険課長名通達


1.平成18年5月12日庁保険発第0512001号により、選択肢の通りとなりますね。


2.前半の文は、健康保険法37条のとおりですね。

後半の文の「判例」とは、最高裁昭和36年2月24日の判決によるものです。


3.誤「派遣先事業所が所在する都道府県」
 正「派遣元事業所が所在する都道府県」

平成25年2月4日保保発0204第1号 によると、派遣労働者について都道府県ごとに定めた現物給与の価額を適用する場合は、派遣先事業所のほうの都道府県という形で通達されていることに気をつけましょう。


4.昭和5年11月06日保規第522号により、選択肢のような形にするよう通達されていますね。


5.昭和48年11月7日庁保険発第21号・保険発第99号により、選択肢の通り通達されていますね。

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