社会保険労務士の過去問
第48回(平成28年度)
厚生年金保険法 問5

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問題

社労士試験 第48回(平成28年度) 択一式 厚生年金保険法 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 配偶者に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その対象となる配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けるときは、当該配偶者については65歳に達したものとみなされ、加給年金額に相当する部分が支給されなくなる。
  • 加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その加算の対象となる配偶者が老齢厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、加給年金額の部分の支給が停止されるが、この支給停止は当該配偶者の老齢厚生年金の計算の基礎となる被保険者期間が300か月以上の場合に限られる。
  • 第1号厚生年金被保険者期間を170か月、第2号厚生年金被保険者期間を130か月有する昭和25年10月2日生まれの男性が、老齢厚生年金の受給権を65歳となった平成27年10月1日に取得した。この場合、一定の要件を満たす配偶者がいれば、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。なお、この者は、障害等級3級以上の障害の状態になく、上記以外の被保険者期間を有しないものとする。
  • 老齢厚生年金に加算される加給年金額は、厚生年金保険法第4条第2項に規定する所定の額に改定率を乗じて得た額とされるが、この計算において、5円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数が生じたときは、これを10円に切り上げるものとされている。
  • 昭和9年4月2日以後に生まれた老齢厚生年金の受給権者に支給される配偶者に係る加給年金額については、その配偶者の生年月日に応じた特別加算が行われる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金を受給している場合であっても、その配偶者にかかる加給年金額は支給停止されません。

2.当該配偶者の老齢厚生年金の計算の基礎となる被保険者期間が「240か月以上」の場合に、加給年金額が支給停止されます。

3.2以上の種別の被保険者期間を有する者については、その者の2以上の被保険者期間を合算し、1つの期間の被保険者期間のみを有するものとみなしますが、同時に老齢厚生年金の受給権を取得したときは、被保険者期間が長い方に加給年金額が加算されます。

4.50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げます。

5.昭和9年4月2日以後に生まれた老齢厚生年金の受給権者に支給される配偶者に係る加給年金額については、「老齢厚生年金の受給権者」の生年月日に応じた特別加算が行われます。

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02

正解(正しい)は、3です。

1 間違いです。
配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けるときであっても、
加給年金額に相当する部分は支給されます。
但し、「老齢厚生年金」を繰り上げ支給する場合は、
加給年金額に相当する部分は支給停止となります。
(参考:法46第6項)


2 間違いです。
配偶者の老齢厚生年金の計算の基礎となる被保険者期間が
240か月以上の場合に加給年金額は支給停止となります。
300か月ではありません。
(参考:法46条第6項)

3 正しいです。
この場合、第一号厚生年金被保険者期間が加算されます。
なお、第一号厚生年金被保険者は、サラリーマン、民間企業勤務、
第二号厚生年金被保険者は、国家公務員共済組合の組合員です。
(参考:法78条の27、令3条の13第2項)



4 間違いです。
「50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、
50円以上100円未満の端数が生じたときは、
これを100円に切り上げるものとする。」
が正しいです。
5円、10円単位ではありません。
(参考:法44条2項)


5 間違いです。
加給年金額については、「受給権者本人」に支払われるので、
受給権者本人の生年月日に応じた特別加算が支給されます。
(参考:昭60法附則60条第2項)

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03

1 誤りです。加給年金額の加算対象者である配偶者が、繰上げ
  支給の老齢基礎年金の支給を受けても、加給年金額は引き続
  き支給されます。(法44条4項)
2 誤りです。加給年金額の部分の支給が停止されるのは、配偶
  者の老齢厚生年金の計算の基礎となる被保険者期間が「240
  か月以上」の場合に限られます。(法46条6項かっこ書)
3 設問の通りであり、正しいです。2以上の種別の老齢厚生年
  金の受給権を取得した日が同じときは、各号の厚生年金被保
  険者期間のうち最も長い一の期間に基づく老齢厚生年金に加
  給年金額が加算されます。(法78条の27、令3条の13第2項)
4 誤りです。老齢厚生年金に加算される加給年金額の計算にお
  いて、その額に「50円未満の端数が生じたときは、これを切
  り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを
  100円に切り上げる」ものとされています。(法44条2項)
5 誤りです。老齢厚生年金の加給年金額には、「受給権者」の
  生年月日に応じた特別加算が行われます。(昭和60法附則60
  条2項)

以上のことから、正解は3となります。

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