社会保険労務士の過去問
第49回(平成29年度)
労務管理その他の労働に関する一般常識 問1
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問題
社労士試験 第49回(平成29年度) 択一式 労務管理その他の労働に関する一般常識 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
労働契約法等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 労働契約法第2条第2項の「 使用者 」とは、「 労働者 」と相対する労働契約の締結当事者であり、「 その使用する労働者に対して賃金を支払う者 」をいうが、これは、労働基準法第10条の「 使用者 」と同義である。
- 「 労働契約の内容である労働条件は、労働者と使用者との個別の合意によって変更することができるものであるが、就業規則に定められている労働条件に関する条項を労働者の不利益に変更する場合には、労働者と使用者との個別の合意によって変更することはできない。」とするのが、最高裁判所の判例である。
- 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、労働契約法第11条に定める就業規則の変更に係る手続を履行されていることは、労働契約の内容である労働条件が、変更後の就業規則に定めるところによるという法的効果を生じさせるための要件とされている。
- 従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして、使用者が捜査機関による捜査の結果を待った上で当該事件から7年以上経過した後に諭旨退職処分を行った場合において、当該事件には目撃者が存在しており、捜査の結果を待たずとも使用者において処分を決めることが十分に可能であったこと、当該諭旨退職処分がされた時点で企業秩序維持の観点から重い懲戒処分を行うことを必要とするような状況はなかったことなど判示の事情の下では、当該諭旨退職処分は、権利の濫用として無効であるとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。
- 有期労働契約が反復して更新されたことにより、雇止めをすることが解雇と社会通念上同視できると認められる場合、又は労働者が有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由が認められる場合に、使用者が雇止めをすることが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、雇止めは認められず、この場合において、労働者が、当該使用者に対し、期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなされる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.誤りです。法2条2項、H24.8基発0810第2号ほか。労働基準法第10条の「使用者」は「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主の為に行為するすべての者」と定義されており、労働契約法第2条2項における「使用者」はこれよりも狭義の範囲を指しています。
2.誤りです。法8条、H28.2最2小(山梨信用組合事件)当該判例では「労働者と使用者との個別の合意によって変更できるもの」であり、このことは就業規則に定められている労働条件を労働者の不利益に変更する場合であっても、その合意に際して就業規則の変更が必要とされる場合を除き、異なるものではないと解されました。
3.誤りです。法9、10、11条、H24.8基発0810第2号ほか。法11条に定める就業規則の変更に係る手続きを履行されていることは法的効果を生じさせるための直接的な要件ではないとされています。
4.正しいです。H18.10最2小(ネスレ日本事件)設問の通りです。
5.誤りです。法19条、H24.8基発0810第2号。設問の場合、「期間の定めのない労働契約」ではなく、「(従前の)有期労働契約と同一の労働条件」で当該申込みを承諾したとみなされます。
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02
「事業主」に相当するもので、同条の「使用者」より狭い
概念とされています。(平成24.8.10基発0810第2号)
2 誤りです。労働契約の内容である労働条件は、労働者と使
用者の個別の合意によって変更することができます。
(最判平成28.2.19山梨県民信用組合事件)
3 誤りです。設問の労働契約法第11条に定める就業規則に関
する手続きは、労働契約の内容である労働条件が、変更後
の就業規則に定めるところによるという法的効果を生じさ
せるための要件ではありません。(平成24.8.10基発0810
第2号)
4 設問の通りであり、正しいです。(労働契約法16条、最判
平成18.10.6ネスレ日本事件)
5 誤りです。労働者が有期労働契約の更新の申込みをした場
合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結
の申込みをした場合、使用者は当該申込みを承諾したもの
とみなされます。(労働契約法19条)
以上のことから、正解は4となります。
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03
います。
2 就業規則の変更が必要とされる場合を除き、異
なるものではないとされました。
3 就業規則の変更に係る手続きを履行されている
ことは法的効果を生じさせるための直接的な要
件ではないとされています。
4 設問のとおり正しいです。
5 (従前の)有期労働契約と同一の労働条件で申
し込んだ場合となります。
よって4となります。
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