社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
健康保険法 問5
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問題
社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 健康保険法 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 厚生労働大臣、保険者、保険医療機関等、指定訪問看護事業者その他の厚生労働省令で定める者は、健康保険事業又は当該事業に関連する事務の遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る保険者番号及び被保険者等記号・番号を告知することを求めてはならない。
- 被保険者が、その雇用又は使用されている事業所の労働組合(法人格を有しないものとする。)の専従者となっている場合は、当該専従者は、専従する労働組合が適用事業所とならなくとも、従前の事業主との関係においては被保険者の資格を継続しつつ、労働組合に雇用又は使用される者として被保険者となることができる。
- 毎年7月1日現に使用する被保険者の標準報酬月額の定時決定の届出は、同月末日までに、健康保険被保険者報酬月額算定基礎届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行う。
- 指定障害者支援施設に入所する被扶養者の認定に当たっては、当該施設への入所は一時的な別居とはみなされず、その他の要件に欠けるところがなくとも、被扶養者として認定されない。現に当該施設に入所している者の被扶養者の届出があった場合についても、これに準じて取り扱う。
- 任意継続被保険者の申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、いかなる理由があろうとも、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなされる。
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この過去問の解説 (3件)
01
解答:「厚生労働大臣、保険者、保険医療機関等、指定訪問看護事業者その他の厚生労働省令で定める者は・・・」が正解です。
〇
健康保険事業又は当該事業に関連する事務の遂行のため必要がある場合を除き、保険者番号及び被保険者等記号・番号を告知することを求めてはいけません。
×
労働組合の専従者となっている場合は、労働組合を適用事業所とする被保険者となります。
×
「同月末日までに」ではなく「7月10日までに」定時決定の届出を提出します。
×
指定障害者支援施設に入所する被扶養者は「一時的な別居とみなし」ます。
×
「いかなる理由があろうとも」ではなく「納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除き」任意継続被保険者とならなかったものとみなされます。
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02
解説は以下の通りです。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】健康保険法第194条の2第1項
【ポイント・考え方】
保険者番号・被保険者記号・番号は、その使用にあたり影響が多大となる悪用が可能であるため、それを回避すべく設問文のような規定があると理解しておくとよいでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
本条文については、「健康保険事業又は当該事業に関連する事務の遂行のため必要がある場合を除き」という例外条件を含んだ上で「何人に対しても」という強い表現を使用した条文である点に留意しておきましょう。
【正誤】誤った記述です。
【根拠条文等】健康保険法第3条1項,昭和24年7月7日職発921号
【ポイント・考え方】
設問文の場合、「被保険者の資格を継続しつつ」ではなく「被保険者の資格を喪失し」が正しいです。
前提として、労働組合法(第2条及び第7条)により、労働組合の専従者への報酬は(労働組合の自主性が損なわれるため)禁止されていることをふまえ、当該事業主に雇用されるものとして取り扱われない点を理解しておきましょう。
【学習・実務でのワンポイント】
労働組合の専従者についての位置づけと各法令における扱いについては、一度簡単に整理しておくとよいでしょう。
【正誤】誤った記述です。
【根拠条文等】健康保険法施行規則第25条1項
【ポイント・考え方】
定時決定の届出は、毎年7月10日までに行う必要があります。
【学習・実務でのワンポイント】
実際には、7月10日が土日である場合や、近年のコロナ対策等によって、この期限がずれる場合がありますが、いずれにしても短期間での届出となる点は、覚えておきましょう。
【正誤】誤った記述です。
【根拠条文等】平成11年3月19日庁保険発4号保険発24号
【ポイント・考え方】
設問文の場合は、一時的な別居であると考えられることから、被扶養者として認められます(被扶養者の認定を取り消す必要がないこととなっています)。
【学習・実務でのワンポイント】
病院や診療所に入院するような場合も、同様に一時的な別居と考えられ、被扶養者として認められます。
【正誤】誤った記述です。
【根拠条文等】健康保険法第37条2項
【ポイント・考え方】
設問文のような場合、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときは、任意継続被保険者となることができる場合があります。
【学習・実務でのワンポイント】
原則的な規定に対しては、多くの場合、やむを得ない事情がありそれが客観的に認められる場合には、例外条件がある(適用される)と理解しておくとよいでしょう。
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03
解説は以下のとおりです。
正
厚生労働省令で定める者(以下この条において「厚生労働大臣等」)に対しては・・必要な場合を除き、厚生労働大臣等以外の者は・・・特に必要な場合を除きとなります。
(被保険者等記号・番号等の利用制限等)
第百九十四条の二 厚生労働大臣、保険者、保険医療機関等、指定訪問看護事業者その他の健康保険事業又は当該事業に関連する事務の遂行のため保険者番号及び被保険者等記号・番号(以下この条において「被保険者等記号・番号等」という。)を利用する者として厚生労働省令で定める者(以下この条において「厚生労働大臣等」という。)は、当該事業又は事務の遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る被保険者等記号・番号等を告知することを求めてはならない。
2 厚生労働大臣等以外の者は、健康保険事業又は当該事業に関連する事務の遂行のため被保険者等記号・番号等の利用が特に必要な場合として厚生労働省令で定める場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る被保険者等記号・番号等を告知することを求めてはならない。
誤
労働組合専従者は従前の事業主との関係においては被保険者の資格を喪失します。その専従する労働組合が適用事業所となる場合は被保険者となります。
組合専従者に対する失業保険等の適用(昭和24年7月7日)(職発第921号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb5110&dataType=1&pageNo=1
被保険者がその雇用又は使用されている事業所の労働組合の専従役職員となつた場合は、労働組合法第二条及び第七条の規定によつて、その者に対するすべての報酬の支給は、明確に禁止される事となつたので、健康保険、厚生年金保険及び失業保険の保険料及び保険給付は、その者を雇用する労働組合より支給せられる報酬の額に基いて決定されなければならないのであつて、これらの法規の適用については、その者は従前の事業主に雇用又は使用されるものとして取り扱われないのである。従つて労働組合専従者は、従前の事業主との関係においては、被保険者の資格を喪失し、労働組合に雇用又は使用される者としてのみ被保険者となることができるのである。(後略)
被保険者が、その雇用又は使用されている事業所の労働組合(法人格を有しないものとする。)の専従者となっている場合は、当該専従者は、専従する労働組合が適用事業所とならなくとも、従前の事業主との関係においては被保険者の資格を継続しつつ、労働組合に雇用又は使用される者として被保険者となることができる。
誤
報酬月額算定基礎届は毎年7月10日までに届け出なければなりません。則25条
(報酬月額の届出)
第二十五条 毎年七月一日現に使用する被保険者(法第四十一条第三項に該当する者を除く。)の報酬月額に関する法第四十八条の規定による届出は、同月十日までに、様式第四号による健康保険被保険者報酬月額算定基礎届を機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。この場合において、協会が管掌する健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、健康保険被保険者報酬月額算定基礎届に厚生年金保険の従前の標準報酬月額を付記しなければならない。
毎年7月1日現に使用する被保険者の標準報酬月額の定時決定の届出は、同月末日までに、健康保険被保険者報酬月額算定基礎届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行う。
誤
障害者支援施設に入所などをしている者の扱い(H11.3.19保険発24号)
被保険者と同一の世帯に属することが被扶養者としての要件である者が本肢の施設に入所することとなった場合、病院又は診療所に入院する場合と同様に一時的な別居であると考えられます。
指定障害者支援施設に入所する被扶養者の認定に当たっては、当該施設への入所は一時的な別居とはみなされず、その他の要件に欠けるところがなくとも、被扶養者として認定されない。現に当該施設に入所している者の被扶養者の届出があった場合についても、これに準じて取り扱う。
誤
いかなる理由があろうともではありません。その者は任意継続被保険者とならなかったものとみなされます。
(任意継続被保険者の資格喪失)
第三十八条 任意継続被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第四号から第六号までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)から、その資格を喪失する。
一 任意継続被保険者となった日から起算して二年を経過したとき。
二 死亡したとき。
三 保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)。
任意継続被保険者の申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、いかなる理由があろうとも、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなされる。
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