登録販売者の過去問
平成25年度(地域2)
主な医薬品とその作用 問51
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問題
登録販売者試験 平成25年度(地域2) 主な医薬品とその作用 問51 (訂正依頼・報告はこちら)
歯痛・歯槽膿漏薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 歯痛薬は、歯の齲蝕(むし歯)による歯痛を応急的に鎮め、歯の齲蝕を修復する医薬品である。
- 歯槽膿漏薬は、歯肉炎、歯槽膿漏の諸症状(歯肉からの出血や膿、歯肉の腫れ、むずがゆさ、口臭、口腔内の粘り等)の緩和を目的とする医薬品である。
- 歯痛薬には、齲蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的として、クレオソート等の殺菌消毒成分が用いられるが、粘膜刺激を生じることがあるため、歯以外の口腔粘膜や唇に付着しないように注意が必要である。
- 内服で用いる歯槽膿漏薬は、同じ又は同種の成分が配合されたかぜ薬が併用された場合でも、副作用が現れやすくなるおそれはない。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 歯痛を応急的に鎮めることを目的としますが、歯の齲蝕が修復されることはありませんので、早めに医療機関を受診して治療を受けることが基本となります。
2 その通りです。患部局所に使用する外用薬や、内服で用いる薬剤もあります。
3 その通りです。クレオソートの他に、フェノール、歯科用フェノール・カンフル、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム等が用いられます。
4 同じ又は同種の成分を摂取することにより、副作用が現れやすくなる場合もあります。
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02
(1)歯痛薬は単に歯痛を和らげる目的で使う薬です。歯痛の原因は歯の齲蝕(虫歯)とその後に起こる歯髄炎であり、歯痛薬にはこれを抑える作用はありません。歯痛は歯の齲蝕(虫歯)等に対する生体の警告信号と考えられます。歯の齲蝕を抑えるためには、早めに医療機関(歯科)を受診することが基本となります。よって歯痛薬は応急的な処置薬であり、歯科受診を受けることが困難な場合に最小限の使用にとどめるべきものです。
(2)設問どおり。歯槽膿漏とは、歯と歯肉の境目にある溝(歯肉溝)での細菌繁殖から生じた歯肉炎が発端となり、その炎症が歯周組織全体に広がった状態のことを言います。歯槽膿漏だけでなく、その前段階である歯肉炎の症状までカバーします。
(3)外用で用いられる歯痛薬には次のようなものがります。
①局所麻酔成分:歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的とする。アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン等)
②殺菌消毒成分:齲蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的とする。フェノール、歯科用フェノールカンフル、木クレオソート、オイゲノール、セチルピリジニウム塩化物等
③生薬成分:サンシシ(抗炎症作用)
このうち②では設問に記載された通りの注意が必要になります。
(4)一般に、同じ又は同種の成分が配合された医薬品
が併用された場合、作用が強すぎたり、副作用が現れやすくなるおそれがあります。内服で用いる歯槽膿漏薬には抗炎症作用を目的に塩化リゾチームが配合されている場合があり、塩化リゾチームはかぜ薬にも頻用されているため、内服の歯槽膿漏薬とかぜ薬の併用には注意が必要です。
ちなみに、歯槽膿漏薬には外用薬と内用薬があり、外用薬には殺菌消毒成分(セチルピリジニウムなど)、抗炎症成分(グリチルリチン酸など)、止血成分(カルバゾクロム)、組織修復成分(アラントイン)、生薬成分(カミツレなど)が配合されます。
内用薬には、抗炎症成分(塩化リゾチーム)、止血成分(フィトナジオン、カルバゾクロム)、組織修復成分(銅クロロフィリンNa)、ビタミン成分が配合されます。
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03
誤っているものについては以下のとおりです。
1→歯痛薬には修復機能はありません。あくまでも応急的に痛みを鎮めるだけなので、早めの受診を勧めます。
4→歯槽膿漏薬の中には、抗炎症成分として塩酸リゾチームが含まれている場合があります。この物質は、かぜ薬にも含まれている成分で、副作用に注意しなければならないものです。
塩酸リゾチームは鶏卵の卵白から抽出したタンパク質から作られるため、鶏卵アレルギーの人には注意が必要ですし、副作用として、ショック(アナフラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死の報告例があります。
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