登録販売者の過去問
平成25年度(地域2)
人体の働きと医薬品 問75

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問題

登録販売者試験 平成25年度(地域2) 人体の働きと医薬品 問75 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、医薬品の副作用に関するものである。次の記述に該当するものはどれか。

全身が広範囲にわたって赤くなり、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等が認められ、かつ、高熱(38℃以上)、口唇の発赤・びらん、目の充血等の症状を伴う病態で、同症について最初に報告をした医師の名前にちなんでライエル症候群とも呼ばれる。
  • ショック(アナフィラキシー)
  • 肝機能障害
  • 偽アルドステロン症
  • 中毒性表皮壊死症

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は「中毒性表皮壊死症」です。

選択肢1. ショック(アナフィラキシー)

医薬品の成分に対する即時型の過敏反応です。アレルギーなどをさします。発生頻度は低いですが、過去に特定の医薬品の使用により、蕁麻疹などのアレルギーを起こしたことのある人では発生するリスクが高いとされています。

症状としては、顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚のかゆみ、蕁麻疹、口唇や舌・手足のしびれ感、むくみ、吐き気、顔面蒼白、手足が冷たくなる、冷や汗、息苦しさ・胸の苦しさなどの症状が急激に現れます。また、発症してからの症状の進行が非常に速く、チアノーゼや呼吸困難に陥り、対応が遅れた場合は致命的な結果になることもあります。

選択肢2. 肝機能障害

肝臓は沈黙の臓器と言われるほど、自覚症状がみられにくい臓器です。そのため、健康診断などで初めて判明するケースも多くありますが、発見が遅れると肝不全に至ることもあります。

医薬品の使用において生じる肝機能障害は、医薬品の成分や、その代謝物の肝毒性による中毒性の物とアレルギー性のものの2つに分けられます。

症状としては、全身の倦怠感、黄疸、発熱、発疹、皮膚のかゆみ、吐き気、尿の色が濃くなるなどがあります。

選択肢3. 偽アルドステロン症

体内に塩分と水分が溜まり、代わりにカリウムが失われたことにより、体が副腎皮質からのアルドステロンの分泌が増えていると勘違いして起こる症状です。体が小柄な人や高齢者が発症しやすく、原因となる医薬品を長期連用してから初めて発症することもあります。

症状としては、尿量の減少、手足の脱力、血圧の上昇、筋肉痛、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ、のどの乾き、吐き気や嘔吐などがあり、重症化すると、筋力の低下、起立不能、歩行困難、痙攣などを生じます。

選択肢4. 中毒性表皮壊死症

正解です。

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02

正解:中毒性表皮壊死症

選択肢1. ショック(アナフィラキシー)

ショック(アナフィラキシー)は、アレルギー反応の一種で、一旦発症すると病態は急速に悪化することが多く(通常、2時間以内に急変)、適切な対応が遅れると致命的な転帰をたどることがあります。

症状としては、顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚の痒み、蕁麻疹、ロ唇や舌・手足のしびれ感、むくみ、吐きけ、顔面蒼白、手足の冷感、冷や汗、息苦しさ・胸苦しさなど、複数の症状が現れます。発症したら直ちに救急救命処置が可能な医療機関を受診する必要があります。

選択肢2. 肝機能障害

肝臓は栄養分の代謝や貯蔵、有害物質の無毒化・代謝、生体物質の産生などを担う臓器であり、肝機能障害ではこれらの機能が障害されることによりさまざまな症状が現れます。

主な症状としては、全身の倦怠感、黄疸のほか、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐きけ等があります。黄疸とは、ビリルビン(黄色色素)が胆汁中へ排出されず血液中に滞留することにより生じる皮膚や白眼が黄色くなる病態です。軽度の肝障害では自覚症状がなく、健康診断等の血液検査(肝機能検査値の悪化)で初めて判明することも多くあります。

医薬品により生じる肝機能障害は、その作用機序から、有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別されます。

選択肢3. 偽アルドステロン症

偽アルドステロン症は、血中アルドステロン濃度が高くないのにもかかわらず、カリウム喪失、ナトリウム・水分の貯留といったアルドステロン症の症状を示す病態を言います(※アルドステロンは、副腎皮質より分泌されて血液中のナトリウムとカリウムのバランスをコントロールするホルモン)。甘草を含む漢方処方製剤で問題になる場合があります。

主な症状に、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、こむら返り、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ、喉の渇き、吐きけ・嘔吐等があり、病態が進行すると、筋力低下、起立不能、歩行困難、痙攣等を生じます。

選択肢4. 中毒性表皮壊死症

設問のとおり。

中毒性表皮壊死融解症と似た病態に、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)があります。38度以上の高熱、全身の皮膚や粘膜(口・目)に発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに出現します。

中毒性表皮壊死融解症は皮膚粘膜眼症候群と関連のある病態と考えられており、中毒性表皮壊死融解症の症例の多くが皮膚粘膜眼症候群の進展型とみられます。いずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いですが、1ヶ月以上経ってから起こることもあります。

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03

正解は「中毒性表皮壊死症」です。

選択肢1. ショック(アナフィラキシー)

顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚の痒み、蕁麻疹、口唇や舌・手足のしびれ感、むくみ(浮腫)、吐き気、顔面蒼白、手足が冷たくなる、冷や汗、息苦しさ、胸苦しさなどの症状が現れます。

医薬品の成分に対する即時型の過敏反応(アレルギー)で、発生頻度は低いですが、発症してからの進行が非常に速い(2時間以内)のが特徴です。

選択肢2. 肝機能障害

全身の倦怠感、黄疸、発熱、発疹、皮膚の痒み、吐き気などの症状があります。自覚症状がみられずに、健康診断などの血液検査で初めて判明する場合もあります。

選択肢3. 偽アルドステロン症

尿量の減少、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ(浮腫)、喉の渇き、吐き気・嘔吐などの症状が現れます。進行すると、筋力低下、起立不能、歩行困難、痙攣などを起こします。

体内に塩分(ナトリウム)と水が溜まり、体からカリウムが失われたことに伴って、このような症状が現れます。

選択肢4. 中毒性表皮壊死症

説明の通りです。

中毒性表皮壊死症(TEN)の症例の多くが、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の進展型とみられています。

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04

正解は中毒性表皮壊死症です。

各選択肢については以下のとおりです。

選択肢1. ショック(アナフィラキシー)

ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種です。原因物質によって発生頻度は異なります。症状は顔や上半身の紅潮、熱感、皮膚のかゆみ、じんましん、口唇や舌・手足のしびれ感、むくみ、吐き気、顔面蒼白、手足の冷感、冷や汗、息苦しさ、胸苦しさなどがあります。進行が非常に速やかで2時間以内で急変するのも特徴の一つです。適切な対応が遅れると、チアノーゼや呼吸困難を起こします。

選択肢2. 肝機能障害

肝機能障害の主な症状は、全身倦怠感、黄疸、発熱、発疹、皮膚掻痒感です。

選択肢3. 偽アルドステロン症

偽アルドステロン症は、体内にナトリウムと水が貯留し、カリウムが失われることによって生じる病態です。手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛などがおこります。小柄な人、高齢者におこりやすいといわれています。

選択肢4. 中毒性表皮壊死症

正解です。

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