登録販売者の過去問
令和2年度(東京都)
医薬品に共通する特性と基本的な知識 問11

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問題

登録販売者試験 令和2年度(東京都) 医薬品に共通する特性と基本的な知識 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

妊婦又は妊娠していると思われる女性及び母乳を与える女性(授乳婦)の医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  便秘薬には、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
b  ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。
c  授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られていても、通常の使用の範囲では具体的な悪影響は判明していないものもある。
d  一般用医薬品においては、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については、添付文書において「相談すること」としているものが多い。
  • a:正  b:誤  c:誤  d:誤
  • a:正  b:誤  c:正  d:正
  • a:正  b:正  c:正  d:正
  • a:誤  b:正  c:正  d:誤
  • a:誤  b:誤  c:誤  d:正

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この過去問の解説 (3件)

01

a 正

代表される禁忌成分にヒマシ油があります。

また、瀉下薬や浣腸薬の使用も、相談することとなっています。

b 正

妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までに継続して大量摂取した婦人からうまれた子どもに、先天異常の増加がみられた報告があります。

c 正

乳児に昏睡や下痢、頻脈、モルヒネ中毒などの症状をおこすおそれがある成分があります。

特に、授乳中の人が服用を避けることとされている成分は、

ジフェンヒドラミン、コデインリン酸塩水和物、ロートエキス、センナなどです。

d 正

妊婦は、身体の変調や不調を起こしやすく、免疫力が低下しています。

それにより、インフルエンザなどにかかりやすく、重篤化しやすいです。

また、妊婦と胎児には血液・胎盤関門がありますが、胎児に対する医薬品の影響は未解明の部分が多いです。

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02

正解は3番です。

a: 正しい
便秘薬のうち、刺激性瀉下成分が配合されたものは、腸の急激な動きに誘発されて流産や早産を引き起こす恐れがあります。試験に出題されやすいものでは、ヒマシ油、センナ・センノシドが配合されたもの、漢方ではダイオウを含むものが挙げられます。妊婦が安全に使用することができる便秘薬は、刺激性のものではなく、腸管内で水分を吸収して腸管内容物に浸透し、糞便のかさを増して柔らかくすることで排便されやすくする働きをもつ膨潤性瀉下成分になります。


b: 正しい
ビタミンAは妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天性異常(口蓋裂、耳・鼻の異常等)を起こす危険性があります。ビタミンAは緑黄色野菜や鶏卵などの食品に含まれているため、バランスのよい食事をしていれば通常不足や過剰になることはあまりありません。


c: 正しい
購入者等から相談を受けた際は、乳汁に移行する成分やその作用等について適切な説明がなされる必要があります。


d: 正しい
医薬品が販売されるまでには動物実験やヒトに対する治験と厳しい試験が行われて安全性が確認されています。成人本人の同意を得て行う治験と異なり、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価を行うことは困難といえます。一般的に子供に治験の対象にしようとする親は少なく、また当然ながら子供本人の同意も得ることはできないからです。そのため、妊婦の使用については、「相談すること」としているものが多くあります。

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03

正しい組み合わせは3です。

a~dのすべてが正しいです。

補足事項として、ビタミンAと奇形の関係ですが、

ビタミンAの代謝産物であるレチノイン酸が影響しているといわれています。

具体的には耳の形態異常が報告されているそうです。

だからといってビタミンAが欠乏すると

胎児の内耳の発達や腎機能に影響を与えるといわれています。

適切な量の摂取が必要です。

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