登録販売者の過去問
令和2年度(東京都)
人体の働きと医薬品 問32

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問題

登録販売者試験 令和2年度(東京都) 人体の働きと医薬品 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

医薬品の代謝、排泄(せつ)及び体内での働きに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  肝機能が低下した人では、医薬品を代謝する能力が低いため、一般的には正常な人に比べて全身循環に到達する有効成分の量がより多くなり、効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。
b  医薬品の有効成分は未変化体のままで、あるいは代謝物として、体外へ排出されるが、肺から呼気中へ排出されることはない。
c  医薬品が効果を発揮するためには、有効成分がその作用の対象である器官や組織の細胞外液中あるいは細胞内液中に、一定以上の濃度で分布する必要がある。
d  多くの医薬品の有効成分は血液中で血漿(しょう)タンパク質と複合体を形成しており、血漿タンパク質との結合は、緩やかかつ不可逆的である。
  • a:正  b:誤  c:正  d:誤
  • a:誤  b:正  c:正  d:正
  • a:誤  b:正  c:誤  d:誤
  • a:正  b:誤  c:正  d:正
  • a:誤  b:誤  c:誤  d:正

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1番です。

a: 正しい

消化管から吸収された有効成分は、全身循環に入る前に肝臓で代謝を受けます。この時肝機能が低下している人では正常な人に比べ代謝する能力が低く有効成分がより多く全身循環に回ります。そのため、効き目が過剰に現れたり、副作用が生じたりしやすくなります。

b: 誤り

体外への排泄経路には、肺から呼気中へ排出されるルートもあります。

c: 正しい

文章の通りです。しかし、器官や組織中に存在する医薬品の濃度を調べることは簡単ではないため、血中濃度をその指標としています。

d: 誤り

医薬品の有効成分と血漿タンパク質の結合は、可逆的なものになります。可逆的とは、くっついたり、離れたりということが簡単に起こるという意味です。

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02

正しい組み合わせは1です。

a~dの各文については以下のとおりです。

a.正しいです。文のとおりです。

肝臓の働きの一つに生体に有害な物質の無毒化と代謝があります。

肝機能が低下しているということは、

その働きがうまくいかないということです。

b.誤りです。

代謝物として肺から呼気中へ排出されることもあります。

c.正しいです。文のとおりです。

これをチェックする基準となるものが血中濃度です。

抗てんかん剤や気管支喘息で使われるテオフィリン製剤などでは

血中濃度を確認しながら、患者への投与量を決めていきます。

d.誤りです。

文末の「緩やかかつ不可逆的」の部分が誤りです。

「速やかかつ可逆的」です。

有効成分と血漿タンパク質は容易にくっついたり、離れたりします。

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03

a 正

消化管で吸収された有効成分は、門脈を経由して肝臓へ送られて、代謝されます。

肝臓で代謝された分だけ、有効成分の全身循環が少なくなるということです。

b 誤

有効成分は未変化体のまま、または代謝物として体外へ排出されます。

腎臓から尿、肝臓から胆汁、肺から呼気として排出されることがあります。

c 正

医薬品の血中濃度が一定を超えたとき、生体反応として薬効が現れる濃度を最小有効濃度といいます。

その後ピークの最高血中濃度に達した後、徐々に血中濃度は低下していきます。

d 誤

有効成分が血漿タンパク質と複合体を形成したものを、アルブミンといいます。

アルブミンは、薬物代謝酵素による代謝を受けず、トランスポーターによって運ばれることもありません。

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