登録販売者 過去問
令和6年度(東京都)
問83 (主な医薬品とその作用 問23)

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問題

登録販売者試験 令和6年度(東京都) 問83(主な医薬品とその作用 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。

体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒(かゆ)み、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れに適すとされるが、胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢の副作用が現れるおそれがあるため使用を避ける必要があり、また、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、のぼせ、動悸(き)等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
  • 温清飲(うんせいいん)
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)
  • 五積散(ごしゃくさん)
  • 猪苓湯(ちょれいとう)
  • 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

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この過去問の解説 (3件)

01

漢方処方製剤の説明に関する問題です。

 

漢方処方製剤には独特の用語が用いられます。

まず、体力がある人なのか、ない人なのか、

問わないのかという意味で

「体力が充実して」

「体力中等度で」

「体力虚弱で」

といった表現が使われます。

特徴的な表現と効果・効能をセットにして、

まとめてみるといいでしょう。

 

では、選択肢をみていきましょう。

 

選択肢1. 温清飲(うんせいいん)

誤りです。

温清飲は、

「体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、

のぼせるものの月経不順、月経困難、血の道症、

更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎に適す」

というものです。

選択肢2. 八味地黄丸(はちみじおうがん)

正しいです。

選択肢3. 五積散(ごしゃくさん)

誤りです。

五積散は、

「体力中等度又はやや虚弱で、冷えがあるものの胃腸炎、

腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、

感冒に適す」

というものです。

選択肢4. 猪苓湯(ちょれいとう)

誤りです。

猪苓湯は、

「体力に関わらず、排尿異常があり、

ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、

残尿感、頻尿、むくみに適す」

というものです。

選択肢5. 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

誤りです。

竜胆瀉肝湯は、

「体力中等度以上で、

下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿のにごり、

こしけ(おりもの)、頻尿に適す」

というものです。

まとめ

漢方処方製剤の名前は、

含有されている生薬の名前を漢字にしたものが入っているケースや、

「中」(お腹、胃腸)や「心」(みぞおちのあたり)のように、

適応となる部位名が含まれているものもあり、

規則性がないため、覚えるのが大変です。

 

インターネットで検索すると覚え方を紹介しているサイトがあります。

暗記で苦労されている方はそういったサイトで、

ご自身にとってわかりやすいものを活用するのも一つの手です。

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02

漢方薬は、体質や症状に応じて使い分けられます。 

「八味地黄丸」は、高齢者のかすみ目や頻尿、むくみ、腰痛などの症状に用いられる代表的な処方です。

体力が中等度以下で、冷えやすく、尿に関する不調を抱えている人に適しています。

ただし、胃腸が弱い人やのぼせやすい人には合わないことがあります。

選択肢1. 温清飲(うんせいいん)

誤りです。
血の巡りを良くし、皮膚のトラブルや月経不順、更年期障害などの症状を改善するために使われることが多いです。

頻尿やむくみの改善を主な目的とする処方ではありません。

選択肢2. 八味地黄丸(はちみじおうがん)

正解です。
高齢者の尿のトラブルや腰痛、しびれ、むくみなどに適した漢方薬です。 

体力が中等度以下で冷えやすい人に向いており、加齢に伴う諸症状を改善する目的で使われることが多いです。

尿に関する症状(夜間尿、頻尿、残尿感など)に対する効果が期待できます。

胃腸が弱い人には合わないことがあります。

選択肢3. 五積散(ごしゃくさん)

誤りです。
冷えによる胃腸の不調や肩こり、神経痛などを改善する漢方薬です。

尿のトラブルや高齢者のかすみ目、頻尿の改善を目的とするものではありません。

選択肢4. 猪苓湯(ちょれいとう)

誤りです。
膀胱炎や排尿時の痛みを和らげるために使われます。

水分代謝を整える作用はあるが、体力が低下した人の腰痛や頻尿、高血圧に伴う症状の改善には向きません。

選択肢5. 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

誤りです。
炎症を抑える作用があり、膀胱炎や尿道炎、湿疹などに使われます。

体力が充実していて、のぼせやすい人向けの処方であるため、体力が中等度以下で冷えやすい人には適していません。

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03

この問題は「漢方処方製剤」についての問題です。

 

問題文の記述は、八味地黄丸の正しい内容です。

選択肢1. 温清飲(うんせいいん)

誤りです。

温清飲は、体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎に適すとされますが、胃腸が弱く下痢しやすいひとでは胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされます。

選択肢2. 八味地黄丸(はちみじおうがん)

正しい選択肢です。

選択肢3. 五積散(ごしゃくさん)

誤りです。

五積散は、体力中等度またはやや虚弱で、冷えがある人の胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適しています。

選択肢4. 猪苓湯(ちょれいとう)

誤りです。

猪苓湯は、体力にかかわらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が乾く人の排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみに適しています。

選択肢5. 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

誤りです。

体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがある人の排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿に適しています。

まとめ

この解説は厚生労働省作成「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月)」を参考にして作成しています。

登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月):

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html

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