通関士 過去問
第58回(令和6年)
問28 (通関業法 問28)

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問題

通関士試験 第58回(令和6年) 問28(通関業法 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

次に掲げる書類のうち、通関業法第14条(通関士の審査等)の規定により通関業者が通関士にその内容を審査させなければならない通関書類に該当するものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 関税法施行令第4条の17第1項に規定する更正請求書
  • 総合保税地域に外国貨物を置くことの承認に係る申請書
  • 関税率表の適用上の所属の教示に係る照会書
  • 輸入の許可前における貨物の引取りの承認に係る申請書
  • 本邦と外国との間を往来する航空機への機用品の積込みの申告書

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この過去問の解説 (3件)

01

通関業法施行令第6条が定める「通関士の審査を要する通関書類」に該当するのは、次の三つです。

関税法施行令第4条の17第1項に規定する更正請求書

総合保税地域に外国貨物を置くことの承認に係る申請書(総保入承認申請書)

本邦と外国との間を往来する航空機への機用品の積込みの申告書(船・機用品積込申告書)

これらはいずれも、施行令第6条が列挙する「修正申告・更正の請求」「総保入承認申請」「船(機)用品積込申告」に対応しており、通関業者は提出前に通関士の審査と記名(電子申告の場合は識別符号入力)を受ける必要があります。

選択肢1. 関税法施行令第4条の17第1項に規定する更正請求書

更正請求書は、納付すべき関税額の過大計算を訂正する手続です。施行令第6条は「修正申告書、更正請求書」を明示しているため、審査が必要です。

選択肢2. 総合保税地域に外国貨物を置くことの承認に係る申請書

総合保税地域(総保)へ外国貨物を搬入する際に提出する「総保入承認申請書」が該当します。施行令第6条で「蔵入、移入、総保入承認申請書」が対象とされているため、審査が必要です。

選択肢3. 関税率表の適用上の所属の教示に係る照会書

貨物のHSコードを事前に照会する文書で、施行令第6条が掲げる対象には含まれていません。したがって、審査対象外です。

選択肢4. 輸入の許可前における貨物の引取りの承認に係る申請書

いわゆる「許可前引取(BP)承認申請書」です。

施行令第6条はこれを列挙しておらず、税関手続の一つではあっても通関士の審査は不要です。

選択肢5. 本邦と外国との間を往来する航空機への機用品の積込みの申告書

船舶・航空機に備品や燃料を積み込む際の「船(機)用品積込申告書」に当たります。

施行令第6条で明示されており、審査が必要です。

まとめ

施行令第6条に列挙された書類だけが「通関士の審査義務付き」です。

貨物の分類や税額訂正、保税地域への保管、船・機用品の積込など、税額計算や保税管理に直結する手続が中心になっています。

許可前引取やHSコード事前教示のように重要な手続でも、施行令に明示されていなければ審査対象外です。試験では「施行令に載っているか」を確かめると選びやすくなります。

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02

通関業法に規定されている、通関業者が通関士にその内容を審査させなければならないものかどうかを判断する問題です。

選択肢1. 関税法施行令第4条の17第1項に規定する更正請求書

正しい内容です。

通関業者は、他人の依頼に応じて税関官署に提出する通関書類のうち政令で定めるものについては、通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名させなければならないとあり、関税法施行令第4条の17第1項に規定する更正請求書は通関士の審査を要する通関書類に挙げられています。

(通関業法施行令第6条)

選択肢2. 総合保税地域に外国貨物を置くことの承認に係る申請書

正しい内容です。

総合保税地域に外国貨物を置くことの承認に係る申請書は通関士の審査を要する通関書類に挙げられています。

(通関業法施行令第6条)

選択肢3. 関税率表の適用上の所属の教示に係る照会書

誤った内容です。

関税率表の適用上の所属の教示に係る照会書は通関士の審査を要する通関書類ではありません。

(通関業法施行令第6条)

選択肢4. 輸入の許可前における貨物の引取りの承認に係る申請書

誤った内容です。

輸入の許可前における貨物の引取りの承認に係る申請書は通関士の審査を要する通関書類ではありません。

(通関業法施行令第6条)

選択肢5. 本邦と外国との間を往来する航空機への機用品の積込みの申告書

正しい内容です。

本邦と外国との間を往来する航空機への機用品の積込みの申告書は通関士の審査を要する通関書類に挙げられています。

(通関業法施行令第6条)

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03

本問は、通関士による審査が必要な書類について知識を問う問題です。

通関士による内容の審査が必要な書類は、通関業法14条、通関業法施行令6条で規定されています。

また、通関業者には通関士に通関書類の審査をさせる義務がありますが、その趣旨は、通関業務の適正を守ることにあります(通関業法13条本文、通関業法基本通達13-1参照)。

そのためには何を審査する必要があるかを考えればよいでしょう。

選択肢1. 関税法施行令第4条の17第1項に規定する更正請求書

該当します。

「関税法施行令第4条の17第1項に規定する更正請求書」は通関業法14条、通関業法施行令6条4号で通関士による審査が必要な書類とされています。

※    申告に係る税額等の計算が関税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は計算に誤りがあったことにより、納付すべき税額が過大である場合にする更正の請求書

選択肢2. 総合保税地域に外国貨物を置くことの承認に係る申請書

該当します。

「総合保税地域に外国貨物を置くことの承認に係る申請書」は通関業務に関する書類として、通関士による審査が必要とされています(通関業法14条、通関業法施行令6条1号、通関業法2条1号イ(1)(四))。

選択肢3. 関税率表の適用上の所属の教示に係る照会書

該当しません。

「関税率表の適用上の所属の教示に係る照会書」は、通関業法14条、通関業法施行令6条に挙げられておらず、通関士による審査は不要です。

内容を審査していなくとも、通関業務の適正が害されるおそれはないと考えられ、その点からも判断できると考えられます。

選択肢4. 輸入の許可前における貨物の引取りの承認に係る申請書

該当しません。

「輸入の許可前における貨物の引取りの承認に係る申請書」は通関業法14条、通関業法施行令6条に挙げられておらず、通関士による審査は不要です。

選択肢5. 本邦と外国との間を往来する航空機への機用品の積込みの申告書

該当します。

「本邦と外国との間を往来する航空機への機用品の積込みの申告書」は、通関業法14条、通関業法施行令6条1号、通関業法2条1号イ(1)(三)で通関士による審査が必要な書類とされています。

まとめ

<通関士の審査・記名を要する通関書類等>

 

他人の依頼に応じて税関官署に提出するもので、通関士が通関業務に従事している営業所における通関業務に係るものに限る)

・以下の申告又は申請に係る申告書及び申請書

・輸出入の申告

・特例輸入申告の承認の申請

・船舶又は航空機への船用品又は機用品の積込みの申告

・保税蔵置場、保税工場もしくは総合保税地域に外国貨物を置くことの承認の申請

保税工場において外国貨物を保税作業に使用することの承認の申請

総合保税地域において外国貨物の加工又はこれを原料とする製造、外国貨物の展示又はこれに関連する使用をすることの承認の申請

保税展示場に入れる外国貨物に係る申告

・特例輸出申告の承認の申請

・関税法その他関税に関する法令による処分について税関長又は財務大臣に対してする不服申立てに係る不服申立書

・特例輸入申告書

・修正申告書

・更正請求書

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