薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題(薬理/実務、薬剤/実務) 問248

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問題

薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(薬理/実務、薬剤/実務) 問248 (訂正依頼・報告はこちら)

40歳男性。心室頻拍・心室細動の既往歴がある。
内科診療所にて、ピロリ菌の除菌を行うこととなった。
また、同時に貧血があることを指摘され、除菌と同時に治療することとなり、以下の薬剤が処方された。

処方された薬剤の作用に関する記述として、いずれの薬剤にも該当しないのはどれか。1つ選べ。
問題文の画像
  • 酸性条件下で、H+,K+-ATPaseを可逆的に阻害する。
  • 細菌のリボソームに結合し、タンパク質合成を阻害する。
  • 細菌のトランスペプチダーゼを阻害し、細胞壁合成を阻害する。
  • 腸内細菌叢を正常化し、整腸作用を示す。
  • 鉄欠乏性貧血患者において、血清鉄を増加させる。

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この過去問の解説 (2件)

01

処方をざっと確認すると、以下のようになります。

ランソプラゾール・・・PPI
アモキシシリン・・・ペニシリン系抗菌薬(βラクタム)
クラリスロマイシン・・・マクロライド系抗菌薬
酪酸菌錠・・・酪酸菌製剤、乳酸菌と同じような作用
クエン酸第一鉄ナトリウム錠・・・鉄剤

1、PPI(プロトンポンプインヒビター)は、プロトンポンプ(H+,K+-ATPase)を不可逆的に阻害します。
(不可逆的に阻害する為、胃酸分泌阻害作用が長時間持続します)
「可逆的」と記載されている為、間違いです。

2、マクロライド系抗菌薬の作用機序です。クラリスロマイシンがこれに該当します。

3、βラクタム系抗菌薬の作用機序です。アモキシシリンがこれに該当します。

4、酪酸菌製剤の作用機序です。酪酸菌錠がこれに該当します。

5、鉄剤に関する記載です。クエン酸第一鉄ナトリウムがこれに該当します。

よって、回答は1となります。

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02

正解:1

1 H+,K+-ATPaseを阻害するという記述より、ランソプラゾールに関する記述だと分かります。
ランソプラゾールは、H+,K+-ATPaseを非可逆的に阻害することで胃酸分泌を抑制します。可逆的ではないため、この記述は誤りとなります。

2 クラリスロマイシンに関する記述です。
クラリスロマイシンはマクロライド系抗生物質で、細菌の50sリボソームと結合してタンパク質合成を阻害します。

3 アモキシシリンに関する記述です。
アモキシシリンはペニシリン系の薬物で、細胞壁合成酵素のトランスペプチダーゼを阻害することにより、抗菌作用を示します。

4 酪酸菌製剤に関する記述です。
抗生物質の服用による下痢の予防として処方されることの多い薬です。

5 クエン酸第一鉄ナトリウムに関する記述です。
不足した鉄を補い、ヘモグロビンの合成を促します。鉄剤を投与するとまず血清鉄が、次いで貯蔵鉄が正常化されます。

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