薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問302
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問題
薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問302 (訂正依頼・報告はこちら)
48歳女性。身長160cm、体重65kg。営業職。
1年ほど前から胸焼けやゲップなどがあり、市販の胃腸薬で対応していた。
最近、その症状が改善されず、また、突然、咳込んだりすることがあったため、消化器内科を受診したところ、逆流性食道炎と診断され、以下の処方が開始された。
この患者の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1年ほど前から胸焼けやゲップなどがあり、市販の胃腸薬で対応していた。
最近、その症状が改善されず、また、突然、咳込んだりすることがあったため、消化器内科を受診したところ、逆流性食道炎と診断され、以下の処方が開始された。
この患者の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- オメプラゾールの主たる代謝酵素は、CYP2C9であるため、ワルファリンとの併用は注意すべきである。
- オメプラゾールの代謝に関して、日本人を含むモンゴル系人種で2%程度のPM(poormetabolizer)が存在する。
- オメプラゾールの代謝に関して、EM(extensivemetabolizer)の患者では、PM患者より、症状の改善が期待できる。
- 患者に、噛んだり砕いたりせずに、服用するように指導する。
- オメプラゾールの投与により、胃がんによる症状が隠ぺいされることがあるので、悪性でないことを確認して、治療することが重要である。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 オメプラゾールはCYP2C19で代謝されます。
2 CYP2C19には遺伝多型が存在します。日本人の約13~20%がCYP2C19の代謝機能が欠損していると言われています。
3 PM患者はCYP2C19が欠損しているため、オメプラゾールの投与量には注意が必要です。
4 オメプラゾールは酸で失活する性質を持っています。そのため薬剤の表面に腸溶性フィルムコーティングがされています。
5 オメプラゾールの常用により胃がんなどの重大な病態の症状を隠蔽してしまうおそれがあります。そのため、治療の際には悪性ではないことの確認をします。
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02
【選択肢に対する説明】
1:誤.オメプラゾールの主な代謝酵素はCYP2C19、ワルファリンの主な代謝酵素はCYP2C9です。
2:誤.PMはアフリカ系アメリカ人で2.0~2.5%、モンゴル系人種で約20%と言われています。
3:誤.EM患者は通常より薬物の代謝が促進されるため薬効は低下します。従って症状の改善はPM患者より期待しにくいです。
4:正.オメプラゾール錠は全て腸溶錠です。そのため、噛み砕くことにより腸溶性が失われてしまいます。
5:正.胃がんは胃酸分泌抑制を引き起こします。よってプロトンポンプインヒビター(PPI)であるオメプラゾールの胃酸分泌抑制作用により、胃がんの症状が隠ぺいされることがあります。
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03
2:PMはモンゴル系人種で約20%と言われています。
3:EM患者は通常より薬物の代謝が促進されるため薬効は低下すると考えられます。従って症状の改善はPM患者より期待しにくいです。
4:正解です。噛み砕くことにより腸溶性が失われてしまいます。
5:正解です。胃がんは胃酸分泌抑制を引き起こします。よってプロトンポンプインヒビター(PPI)であるオメプラゾールの胃酸分泌抑制作用により、胃がんの症状が隠ぺいされることがあります。
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