薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問303

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問題

薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問303 (訂正依頼・報告はこちら)

48歳女性。身長160cm、体重65kg。営業職。
1年ほど前から胸焼けやゲップなどがあり市販の胃腸薬で対応していた。
最近、その症状が改善されず、また、突然、咳込んだりすることがあったため、消化器内科を受診したところ、逆流性食道炎と診断され
以下の処方が開始された。

オメプラゾール錠を4週間服用した結果、胸焼けなどの症状は明らかに改善したが、以前からの咳は継続していた。

そこで、文献検索により、逆流症状を有する患者の慢性の咳に対するプロトンポンプ阻害薬の効果に関する論文を入手した。
その論文の中に以下の図が掲載されていた。
この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問題文の画像
  • メタアナリシスの結果を示す際によく用いられ、ファンネルプロットと呼ばれる。
  • 検討に用いられた3つの研究結果が、不均一とはいえないことが確認できる。
  • 横の線は、標準誤差を表す。
  • 最下段のひし形は、3つの研究結果を統合したものである。
  • 逆流症状を有する患者の慢性の咳に対して、プロトンポンプ阻害薬は、プラセボよりも有意に効果があると、読み取れる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:2、4

1 ファンネルプロットではなくフォレストプロットです。木のような形をしているため、こう呼ばれます。

2 不均一性はP値、I2値により判断されます。
P値<0.1、I2値>20%の時、結果は不均一であると規定されています。

3 横の線は95%信頼区間を表しています。

4 ひし型の左右の幅は統合して得られた95%信頼区間、中心は統合された相対リスクやオッズ比を表しています。

5 95%信頼区間は1を跨いでいるため、プロトンポンプ阻害薬がプラセボよりも有意に効果があるとは言えません。

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02

【答え】2,4

【メタアナリシスについて】
 メタアナリシスとは、複数の研究の結果を統合して分析する統計解析の手法です。根拠に基づく医療(EBM)において、最も信頼度が高いです。
 メタアナリシスのバイアスとして出版バイアスがあります。出版バイアスとは、否定的な結果が論文となって公表されにくいために、肯定的な結果が多くなってしまうことによるバイアスです。

【フォレストプロットについて】
 フォレストプロットは、複数の臨床研究の結果および、それらを統合した結果をひとつのグラフ内で比較するのに用いられる、メタアナリシスの一つです。

【選択肢に対する説明】
 1:誤.木の形をしていることよりフォレストプロット呼ばれます。ファンネル(漏斗)プロットは公表されている試験が平均的なバランスを持っているかを調査するもので、出版バイアスの確認に用いられます。
 2:正.研究結果の均一性とは横軸の中心から見て左右に散らばっているかどうかということです。本問における3つの研究は全て、左側によっており均一性が高いと考えられます。
 3:誤.横の線は標準偏差を表しています。
 4:正.ひし形は統合したメタアナリシス分析の結果を示しており、ひし形の上下の頂点を結んだ位置が統合されたオッズ比になります。また左右の頂点は信頼区間を表します。
 5:誤.横線がオッズ比1の縦線と交わらない時、統計学的に有意であると言えます。よって3つの研究全てにおいてオッズ比1の縦線に横線が交わっているため、有意に効果があるとは言えません。

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03

1:木の形をしていることよりフォレストプロット呼ばれます。
ファンネル(漏斗)プロットは公表されている試験が平均的なバランスを持っているかを調査するもので、出版バイアスに用いられます。

2:正解です。横軸の中心から見て左右に散らばっている時、研究結果が均一と言えます。

3:横の線は標準偏差を表しています。

4:正解です。ひし形は統合したメタアナリシス分析の結果を示しており、ひし形の上下の頂点を結んだ位置が統合されたオッズ比になります。また左右の頂点は信頼区間です。

5:横線がオッズ比1の縦線と交わらない時、統計学的に有意であると言えます。よって3つの研究全てにおいてオッズ比1の縦線に横線が交わっているため、有意に効果があるとは言えません。

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