薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問308

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問題

薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問308 (訂正依頼・報告はこちら)

24歳女性。クローン病と診断され、メサラジンで治療していたが、効果不十分のため、生物由来製品であるインフリキシマブ(遺伝子組換え)が処方された。
インフリキシマブの使用に関する記述について、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • インフリキシマブの使用は、クローン病の根治が目的である。
  • 使用記録簿は、当該施設で20年間保存することが義務付けられている。
  • 結核の既感染者には、胸部レントケン検査等を定期的に行う。
  • 製造に用いた原料について、患者に説明する義務がある。
  • 重篤な副作用に対し、十分対応できる医療機関で使用する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:3、5

1 現在、クローン病を根治する治療法はありません。インフリキシマブはクローン病の寛解、維持療法のために用いられます。

2 インフリキシマブは生物由来製品です。使用記録簿の保存は義務ではありません。

3 インフリキシマブの投与により結核の発症、悪化のおそれがあります。そのため、結核の既感染者には、胸部レントケン検査等を定期的に行う必要があります。

4 インフリキシマブは生物由来製品であるため、説明の必要はありません。このような規定があるのは特定生物由来製品です。

5 インフリキシマブの投与により、重篤な副作用が起こるおそれがあります。そのため、そのような事態に十分対応できる医療機関で使用する必要があります。

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02

【答え】3,5

【インフリキシマブ】
 マウス抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体で、生物由来製品に分類される抗炎症薬です。
 クローン病に関しては、メサラジンなどの他の薬物療法が不十分な場合に用いられます。

【選択肢に対する説明】
 1:誤.インフリキシマブは炎症を起因するTNF-αのモノクローナル抗体です。そのため、炎症を抑える目的で用いられ、根治を目的とはしていません。

 2:誤.インフリキシマブは生物由来製品ですので、特定生物由来製品のように20年間の保存義務は生じません。製造業者では10年間保存する義務があります。
 
 3:正.記載の通りです。

 4:誤.そのような義務はありません。

 5:正.記載の通りです。

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03

1:インフリキシマブは抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体であり、クローン病や関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などに用いられる抗炎症薬です。
しかしその作用目的は病気の根治ではなく、あくまで抗炎症のみに留まります。

2:インフリキシマブは生物由来製品ですので、特定生物由来製品のように20年間の保存義務は生じません。

3:正解です。結核の検査として胸部レントゲン検査と胸部CT検査があり、レントゲンは定期検診にも用いられます。

4:インフリキシマブは生物由来製品であるため、その製造に用いた原料について説明し、アレルギーの有無などを確認する必要があります。

5:正解です。副作用としてはアナフィラキシーショックなどが挙げられます。

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