薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問332

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問題

薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問332 (訂正依頼・報告はこちら)

56歳男性。以前より内科で処方されているワルファリンカリウム錠を服用している。以前の服薬指導時には、何も問題はなかったが、今回の来局時に「2日前から歯磨き時に歯茎の出血が止まりにくくなった。」との訴えがあった。出血の原因として疑われるのはどれか。2つ選べ。
  • シメチジン含有の一般用医薬品の服用
  • クロレラの摂取
  • イコサペント酸エチル含有のサプリメントの摂取
  • 納豆の摂取

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:1.3

1 シメチジンは、シトクロムP450を阻害することにより、ワルファリンの代謝を抑制します。そのため、ワルファリンの血中濃度が上昇し、出血傾向が高まります。

2 クロレラはカリウムを含むため、ワルファリンの作用が減弱する恐れがあります。

3 イコサペント酸エチルは血小板凝集抑制作用があるため、ワルファリンとの併用により出血傾向が高まる恐れがあります。

4 納豆はカリウムを含むため、ワルファリンの作用が減弱する恐れがあります。

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02

【答え】1,3

【ワルファリンの特徴】
 ・分類:ワルファリンは抗凝固薬に属します。

 ・作用機序:ビタミンKの作用に拮抗し肝臓におけるビタミンK依存性凝固因子の生合成を抑制します。(そのため、ビタミンKが過剰に存在するとワーファリンの効果が抑制されます。)

 ・分布:血漿タンパク結合率が97%と非常に高いです。

 ・代謝:ワルファリンはCYP2C9で代謝されます。

【選択肢に対する説明】
 1:正.シメチジンはCYP2C9を含め多くのCYPを阻害します。そのため、CYP2C9によるワルファリンの代謝を阻害し、出血傾向が亢進します。

 2:誤.クロレラはビタミン K が過剰に含まれるため、ワルファリンの作用が減弱され、出血傾向は抑制されます。その他、ビタミン K が過剰に含まれる食品に納豆があります。

 3:正.EPAにも抗凝固作用があるため、相乗効果により出血傾向が亢進する可能性があります。

 4:誤.納豆もクロレラと同様です。

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03

1:正解です。
シメチジン(H2受容体遮断薬)は全CYPを阻害します。
よってCYP2C9で代謝されるワルファリンがシメチジンとの併用により代謝されず、結果出血傾向が増強されます。

2:誤りです。
ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子を阻害する抗凝固薬です。
したがってビタミンKを多く含むクロレラを摂取するとワルファリンの作用は減弱し出血傾向は抑制されます。

3:正解です。EPAは血液をサラサラにする抗凝固作用を有するため、相乗効果により出血傾向が増強されます。

4:誤りです。納豆もクロレラと同じくビタミンKを多く含む食品ですので出血傾向は抑制されます。

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