薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問342

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問342 (訂正依頼・報告はこちら)

治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • タクロリムスは、血清試料を用いて測定する。
  • アミカシン硫酸塩は、血中濃度を一定に維持する投与方法が望ましい。
  • ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後の追加投与前が望ましい。
  • 血清バンコマイシン濃度が、ピーク値として60μg/mL以上の時、有効治療域となる。
  • 血清リチウム濃度のトラフ値が2.0mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解:3.5

1 タクロリムスは赤血球に分布するため全血を用いて測定します。

2 アミカシンはアミノグリコシド系抗菌薬です。血中濃度を一定に保たなくても菌の増殖抑制効果が持続します。

3 ジゴキシンはトラフ値で採血をします。

4 バンコマイシンはピーク値が25~40μg/mLで有効治療域となります。

5 血清カリウム値がトラフ値で2.0mEq/mLを超えた場合は過量投与となっています。

参考になった数0

02

【答え】3,5

【TDMについて】
 TDM(薬物治療モニタリング)は有効治療域が狭い薬物や体内動態の個人差が大きい薬物に対して行います。
 TDMにより、用法・用量を個人に合わせた最適なものにします。

【選択肢に対する説明】
 1:誤.タクロリムスは赤血球に分布するため、TDMは全血中濃度で測定します。

 2:誤.アミカシンはアミノグリコシド系抗生物質で、一回の投与量を多くし、ピークの血中濃度を高めた方が効果が高いです。

 3:正.TDMの採血は原則、最低血中濃度を示す追加投与前に行います。

 4:誤.バンコマイシン濃度の有効治療域は25~40μg/mLであるため、ピーク値として60μg/mLだと中毒域となり不適切です。

 5:正.トラフ値とは定常状態における最低血中濃度のことであり、追加投与直前の値です。リチウムは0.6~1.2mEq/Lが有効域であるため、2.0mEq/mLを超えたときは減量・休薬し血中濃度を低下させます。

参考になった数0

03

1:誤りです。血液中のタクロリムスは赤血球画分に分布するため、TDMは全血中濃度で測定します。

2:誤りです。アミカシンはアミノグリコシド系抗生物質で、一回の投与量を多くし、ピーク血中濃度を一定水準以上に高めることで有効性を確保します。

3:正解です。
原則的に採血は最低血中濃度を示す追加投与前に行います。
ジゴキシンの場合は服薬後6時間以上経過してからが望ましいです。

4:誤りです。バンコマイシン濃度の有効治療域は25~40μg/mLであるため、ピーク値として60μg/mLだと中毒域となり不適切です。

5:正解です。
トラフ値とは投薬してから8時間以上経過した時点での血中濃度のことであり、リチウムは0.6~1.2mEq/Lが有効域です。
よって2.0mEq/mLを超えたときは減量・休薬し血中濃度を低下させます。

参考になった数0