第一種衛生管理者の過去問
平成26年10月公表
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問31

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問題

第一種 衛生管理者試験 平成26年10月公表 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

脳血管障害及び虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 脳血管障害は、脳の血管の病変が原因で生じ、出血性病変、虚血性病変などに分類される。
  • 出血性の脳血管障害は、脳表面のくも膜下腔くうに出血するくも膜下出血、脳実質内に出血する脳出血などに分類される。
  • 虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳塞栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳血栓症に分類される。
  • 虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。
  • 虚血性心疾患は、心筋の一部分に可逆的虚血が起こる狭心症と、不可逆的な心筋壊死が起こる心筋梗塞とに大別される。

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この過去問の解説 (3件)

01

(脳血管障害)
 脳血管障害は、脳の血管が障害を受けることによって生じる疾患の総称で、出血性病変(脳出血・くも膜下出血)と虚血性病変(脳梗塞)に分類されます。

 さらに脳梗塞は脳血栓と脳梗栓に分かれます。

(脳出血)
 脳内の血管が破れて出血が起こった状態をいいます。突発的に起こり、血腫となり脳を圧迫破壊し、数々の障害をおこします。

(くも膜下出血)
 大脳の表面には3層の膜(硬膜・くも膜・軟膜)があり、その中間の膜をくも膜といいます。そのくも膜と軟膜の間の空間に出血が起きることをくも膜下出血といいます。

(脳血栓)
 脳動脈に動脈硬化などの原因によって血栓が生じる病気。突発性はなく、徐々に進行する。

(脳塞栓)
 心臓などに形成された血栓がはがれて移動し,脳の動脈枝が閉塞するために起るものをいいます。突発的に麻痺や意識障害がおきます。


(虚血性心疾患)
 心臓は、心筋によって1日に10万回もの収縮拡張を繰り返しています。この心筋への酸素や栄養を含んだ血液を送り込む血管を「冠動脈」といいます。
 この冠動脈が動脈硬化などの原因で、狭くなったり閉塞したりすると心筋に血液が十分に送られなくなります。このようにして起きる心疾患を虚血性心疾患といいます。

 冠動脈からの血液が途絶え、心筋に血液が送られなくなり、心筋が壊死するほどの症状が出たものを「心筋梗塞」といい、血液が途絶えていないが、血流量が減少し、心筋の障害がおきるものを「狭心症」といいます。

 では問題をみてみましょう。

1、正しいです。

2.正しいです。

3.誤りです。脳血管自体の動脈硬化性病変によるものは脳血栓で、血栓がはがれて脳血管を閉塞するのは脳塞栓です。

4.正しいです。

5.正しいです。
 

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02

1は出血性病変に脳内出血やクモ膜下出血が、虚血性病変に脳梗塞が該当するので、正しいです。

2で脳出血は脳内に漏れ出るもので、クモ膜下出血はその名の通りクモ膜の下に出血するので、正しいです。

3は「血栓が剥がれて脳内の動脈を閉塞する」のが脳塞栓症、「動脈硬化が進行して血栓ができて閉塞する」のが脳血栓症なので、誤りです。

4の虚血性心疾患は、「心臓の筋肉が一時的に血液不足になる」病気なので、正しいです。

5は「心臓の血管の一部の血流が一時的に悪くなる」のが狭心症、「心臓の血管の一部が完全に詰まってしまい、その部分の心臓の筋肉に血液が行きわたらず、心臓の動きが悪くなる」病気が心筋梗塞なので、正しいです。

よって、3が正解です。

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03

誤っているものは3です。
文中の「動脈硬化性病変による脳塞栓」の部分が誤りで正しくは「動脈硬化性病変による脳血栓」です。また文中の「脳血管を閉塞する脳血栓」の部分が誤りで正しくは「脳血管を閉塞する脳塞栓」です。

他の選択肢1,2,4,5については文のとおりで正しい記述です。

ちなみに虚血とは動脈血量の減少による局所的貧血です。このことを踏まえて選択肢4,5を読んでいただくとわかりやすいと思います。

参考になった数50