第一種衛生管理者の過去問
平成26年10月公表
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問32

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問題

第一種 衛生管理者試験 平成26年10月公表 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

熱傷の救急処置等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 熱傷の分類では、Ⅰ度が最も重症で、皮膚は白っぽくなったり、ただれてくる。
  • 水疱ができる程度の熱傷は、Ⅱ度に分類される。
  • 熱傷部位が広くショックに陥ったときは、寝かせて頭部を高くする体位をとらせる。
  • 着衣の上からの熱傷では、まず着衣を脱がす必要があり、着衣の一部が皮膚に付着している場合は、直ちにこれを取り除く。
  • 熱傷面は、受傷後速やかに氷水などで冷却するが、特に熱傷の範囲が広い場合には、30分以上かけて、十分に体温が低下するまで冷却する。

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この過去問の解説 (3件)

01

(熱傷の分類)
Ⅰ度 → 表皮・角質層までの熱傷で、赤くなり充血したりします。痛みがありますが、数日で治り痕はのこりません。

浅達性Ⅱ度 → 表皮・有棘層、基底層までの熱傷で、水疱(水ぶくれ)赤くなり、腫れてじゅくじゅくします。強い痛みがあり熱感もあります。10日ほどで治り、痕はほぼのこりません。

深達性Ⅱ度 → 真皮・乳頭層、乳頭下層まで達し、浅達性II度と同じ症状がでます。さらに白くもなり、治るのに2週間以上かかります。痕も残りやすくなります。

Ⅲ度 → 真皮全層、皮下組織、極度の場合は骨まで達し、白や茶色などに変色、ひどく焼けただれます。知覚がマヒし、痛みを感じなくなります。1か月以上治るのにかかり、痕はケロイドになり残ります。

(熱傷時の対応)
 できるだけ早く、冷水で15分以上痛みがなくなるまで冷やします。このとき熱傷範囲が広く長時間冷水にさらすと、低体温になるので注意します。

 衣類を着ている場合は、衣類ごと冷やします。

 熱傷部位が広くショックを起こした場合は、寝かせて足を高くする体位をとります。

 では問題をみてみましょう。

1.誤りです。Ⅲ度が最も重症です。

2.正しいです。

3.誤りです。足を高い位置にします。

4.誤りです。衣類ごと冷やします。衣類が皮膚にくっついて皮膚ごとはがしてしまいます。

5.誤りです。低体温を引き起こす場合があるので、注意します。

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02

1の熱傷では「Ⅲ度」が最も重症なので、誤りです。

2のⅡ度の熱傷は、「傷が真皮層の中間までのもので、水疱ができ赤く腫れ、強い痛みを感じる」ものなので、正しいです。

3は「頭部」を高くするのではなく「足」を上げ、心臓への血流を増やすようにするため、誤りです。

4の着衣の上から熱傷をした時は、「着衣を脱が」さず、そのまま水をかけて冷やすのが良いので、誤りです。

5は、水道水による冷却が最もよく、10分程度行うと良いので、誤りです。体温が低下すると低体温を引き起こすのでダメです。

よって、2が正解です。

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03

正しいものは2です。
本文のとおりです。

他の選択肢については以下のとおりです。
1.文中の「Ⅰ度」の部分が誤りで正しくは「Ⅲ度」です。Ⅰ度はちょっと表面が赤くなったという状態を指します。

3.文中の「高く」の部分が誤りで「低く」が正しいです。心臓への血流に対する配慮が必要です。

4.文中の「ただちにこれを取り除く」が誤りです。皮膚が付着し皮膚も一緒にはがれてしまう可能性があるからです。服の上から水をかけて冷やすのが先決です。

5.文中の「30分以上かけて、十分に体温が低下するまで冷却する」の部分が誤りです。冷やすことは大切ですが、そこに時間をかけるのではなく、できるだけ早く専門医の処置を受けることが大切です。

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