第一種衛生管理者の過去問
平成26年10月公表
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問33
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問題
第一種 衛生管理者試験 平成26年10月公表 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 毒素型食中毒は、食物に付着した細菌が増殖する際に産生した毒素によって起こる食中毒で、黄色ブドウ球菌によるものなどがある。
- 感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、サルモネラ菌によるものなどがある。
- O-157やO-111による食中毒は、ベロ毒素を産生する大腸菌による食中毒で、腹痛、出血を伴う水様性の下痢などの症状を呈する。
- ボツリヌス菌は、缶詰、真空パック食品など、酸素のない食品中で増殖し、毒性の強い神経毒を産生する。
- ノロウイルスは、手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖して、嘔吐、下痢、腹痛などの急性胃腸炎を起こすもので、夏季に集団食中毒として発生することが多い。
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この過去問の解説 (3件)
01
食中毒には細菌性食中毒・ウィルス性食中毒・自然毒食中毒・化学性食中毒などに分かれます。
細菌性食中毒は、さらに感染型と毒素型に分かれます。
(細菌性食中毒(感染型))
細菌そのものが人に感染することで症状を起こす食中毒です。
サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・病原性大腸菌・カンピロバクター・ウェルシュ菌などがあります。
(細菌性食中毒(毒素型))
細菌が産生した毒素によって症状を起こす食中毒です。
黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌・セレウス菌などがあります。
毒素型の特徴として、細菌自体は基本的に熱に弱いのですが、産生した毒素は熱に強く、加熱では取り除けないことが挙げられます。
(ウィルス性食中毒)
ノロウィルスに代表されるウィルスによる食中毒、細菌よりもはるかに小さく、食品中では増殖せず、人の腸管内で増殖するのが特徴です。
空気中に浮遊しており、湿度の低い冬場に流行しやすいという特徴があります。
では問題をみてみましょう。
1.正しいです。黄色ブドウ球菌は手指に傷があると傷口周辺に増殖します。手荒れがひどい手で握ったおにぎりなどで感染したりします。
2.正しいです。
3.正しいです。0-157や0-111は病原性大腸菌とよばれ、日本では大阪府堺市の小学校でおきたカイワレの集団食中毒が有名ですが、もともと、牛や豚の大腸内に生息する菌です。アメリカではハンバーガーチェーンによる集団食中毒が起きています。
4.正しいです。ボツリヌス菌で有名な食中毒は熊本県でおきた、からしレンコン事件が有名です、からしレンコンは真空パックで提供され、嫌気性のボツリヌス菌が増殖し、毒素を産生したため起きたといわれています。
5.誤りです。ノロウィルスは経口感染(食べ物などからの感染)も起きますが、飛沫感染(感染者のおう吐物や糞便等によるもの)が大きな感染経路だといわれています。
また、湿気の少ない冬季に流行しやすいといわれています。ただし近年、夏場でも少数ながらも感染する事例があります。
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02
2の感染型食中毒は、「食品に付着した細菌が腸管内で増殖して症状を起こす」もので、サルモネラ菌の他にウエルシュ菌などが該当するため、正しいです。
3のO-157やO-111は「生体内毒素型」に該当し、「食品に付着した細菌が生体内で増殖する時に生産した毒素で症状を起こす」ものなので、正しいです。
4のボツリヌス菌はその他、菌が芽胞という形態をとると長時間煮沸しても死滅しなくなります。正しいです。
5のノロウィルスは食品、水、患者の嘔吐物などの飛沫から経口的に摂取されたウィルスが人間の小腸で増殖します。ただし、「夏季」ではなく「冬季」に多発しますので、誤りです。
よって、5が正解です。
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03
文中の「夏季」の部分が誤りで正しくは「冬季」です。
他の選択肢については以下のとおりです。
1.正しいです。
毒素型食中毒には他にボツリヌス菌があります。
2.正しいです。
感染型食中毒には他に腸炎ビブリオ、病原性大腸菌があります。
3.正しいです。
病原性大腸菌の場合少量の菌数で食中毒を引き起こします。
4.正しいです。ボツリヌス菌の主な原因食品としては「いずし」などの魚肉発酵食品があります。
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