第一種衛生管理者の過去問
平成26年10月公表
労働生理 問39

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第一種 衛生管理者試験 平成26年10月公表 労働生理 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

腎臓での尿の生成に関する次の文中の [    ] 内に入れるAからDの語句の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。

「腎小体を通る血液中の血球及び [  A  ] 以外の成分は、糸球体から [  B  ] に濾過されて原尿になる。原尿中の水分、電解質、[  C  ] などの成分が [  D  ] において血液中に再吸収され、残った成分で生成された尿は膀胱にたまり体外に排泄される。」
  • A=蛋白質    B=尿細管         C=糖          D=ボウマン嚢
  • A=糖        B=ボウマン嚢     C=蛋白質      D=尿細管
  • A=糖        B=ボウマン嚢     C=アミノ酸    D=尿細管
  • A=糖        B=尿細管         C=蛋白質      D=ボウマン嚢
  • A=蛋白質    B=ボウマン嚢     C=糖          D=尿細管

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

 腎機能に関する問題です。少しややこしいので整理しながら考えてみてください。

(腎臓の働き)
 腎臓は濾過装置とよばれるように血液中の老廃物を濾過します。濾過した老廃物は尿として排出されます。

(腎小体)
 血液を濾過する本体です。腎臓1個につき100万個の腎小体があります。

 この腎小体は袋状の形をしていて、この袋に老廃物を含んだ血液が通る血管と濾された後のきれいな血液が通る血管の2つがつながっています。

 この袋を「ボウマン嚢」いいます。このボウマン嚢の中には毛細血管がうねうね走っていて、この毛細血管を「糸球体」とよびます。

 老廃物を含んだ血液は、腎臓に入り、血管から腎小体(ボウマン嚢の中)に入ります。そこで毛細血管(糸球体)を通るうちに老廃物を毛細血管外(ボウマン嚢へ)に放出します(濾過している)

 血液自体はきれいな状態になり、腎臓外へ血管をとおして送られていきます。

 毛細血管(糸球体)からボウマン嚢へ放出された老廃物は、「原尿」とよばれ、尿細管を通って膀胱へ送られるのですが、この尿細管を通っている間にブドウ糖やアミノ酸、水、Naイオンなどが再吸収されます。そうして残ったものが尿として体外に排出されます。

 では問題をみてみましょう。

Aはたんぱく質です。たんぱく質や血球は分子が大きいため、腎小体で濾過されません。健康診断でひっかかる「たんぱく尿」は本来濾過されないはずのたんぱく質が腎臓の炎症などで、透過してしまい尿中に排出された状態のことです。

Bはボウマン嚢です。糸球体とボウマン嚢は別々にあるのではなく、ボウマン嚢の中に糸球体(毛細血管)があって、ボウマン嚢の外からきた血管が糸球体(毛細血管)につながっていて、糸球体で老廃物がボウマン嚢の中(糸球体から見たら外)に放出されます。

Cは糖です。

Dは尿細管です。

 

参考になった数238

02

腎臓では、糸球体からボウマン嚢中へ血液をいったんこし出し、血球およびタンパク質以外の成分をろ過して原尿を生成します。その後、尿細管から糖などの栄養物質やナトリウムなどの電解質、水分が、尿細管にて血液中に再吸収され、残った成分が尿となります。それが腎盂を経て膀胱に送られて、排泄されます。

以上を踏まえて問題を見ると、正解は5となります。

参考になった数60

03

正しい組み合わせは5です。

用語について補足すると
糸球体は腎臓内にある細い毛細血管の塊になっている組織です。
ボウマン嚢はその糸球体を収納するような形になっています。そのため別名包を糸球体包といいます。

解剖図などで確認し、正解の用語をいれながら本問題を確認することをおすすめします。

参考になった数41