第一種衛生管理者の過去問
平成27年4月公表
労働衛生(有害業務に係るもの) 問16
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問題
第一種 衛生管理者試験 平成27年4月公表 労働衛生(有害業務に係るもの) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 電離放射線の被ばくによる発がんと遺伝的影響は、確率的影響に分類され、発生する確率が被ばく線量の増加に応じて増加する。
- 熱虚脱は、暑熱環境下で脳へ供給される血液量が増加したとき、代償的に心拍数が減少することにより生じ、発熱、徐脈、めまいなどの症状がみられる。
- 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、長期間にわたる発熱、関節痛などの症状がみられる。
- 凍瘡は、皮膚組織の凍結壊死を伴うしもやけのことで、0℃以下の寒冷にばく露することによって発生する。
- 潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた酸素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。
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この過去問の解説 (4件)
01
2の熱虚脱は、血液が皮膚に溜まり、循環不全を呈し、血圧は低下し、脈拍は高くなります。
症状として、頭痛、めまい、耳鳴り、失神があります。
3の金属熱は、主として亜鉛や銅のヒュームが空気中で酸化された酸化亜鉛などを吸い込んで、数時間後に悪寒と発熱、関節痛などの症状を呈するものです。発熱後、数時間で解熱し、多少の疲労感を残すのみで回復します。
4の凍瘡は、しもやけのことで、0℃以下の寒冷と湿気によりますが、組織の凍結壊死は伴いません。
5の減圧症は、高圧下で血液中に溶けていた窒素が、減圧により気化して気泡化し、血管を閉塞して発生する障害全般のことで、皮膚のかゆみ、関節痛、呼吸困難や神経麻痺などがあります。
よって、正解は1です。
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02
1.〇 電離放射線の被ばくによる発がんと遺伝的影響は、確率的影響に分類されます。
発生する確率ですが、被ばく線量の増加に応じて増加します。
2.× 「熱虚脱」という症状は、皮膚に血液が溜まり、脳への血液の流れが悪くなり、循環不全を呈し、血圧は低下し、めまいや失神を起こします。
3.× 「高温環境下での体温調節中枢麻痺」ではなく、「金属ヒュームの吸入」となります。
4.× 「凍瘡」ではなく、「凍傷」となります。
5.× 「酸素」ではなく、「窒素」となります。
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03
2.熱虚脱とは、高温環境下での皮膚血流量増加に伴う、循環障害です。臓器への血流量が低下し、血圧が低下することで心拍数が増加します。
症状は頭重感、頭痛、吐き気、倦怠感(けんたいかん)、脱力感などです。
脳ではなく、皮膚血流量の増加が原因です。
3.鉱物性の粉塵(金属ヒューム)を吸入することで生じる、発熱などの症状のことです。
原因は高温環境下での体温調節中枢麻痺ではなく、金属ヒュームの吸入です。
4.凍瘡は、しもやけのことで、寒冷による血行障害が原因で起こります。
凍結壊死を伴うのは、凍傷です。
5.気圧の高い場所から低い場所に急に移動した際に体内に気泡が形成されることによって生じる症状です。
原因となる気体は、酸素ではなく、窒素です。
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04
2.×
熱虚脱では脳の血流が不足するため、めまいや、失神をおこし、血圧も低下します。
3.×
金属ヒュームを吸入することでおこり、発熱等の症状が出ます。
4.×
凍結壊死をともなう症状は「凍傷」です。
5.×
原因となる気体は「窒素」です。
よって正解は1です。
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