第一種衛生管理者の過去問
平成28年4月公表
労働生理 問43
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問題
第一種 衛生管理者試験 平成28年4月公表 労働生理 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
筋肉に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 筋肉中のグリコーゲンは、酸素が十分に与えられると完全に分解され、最後に乳酸になる。
- 筋肉の縮む速さが速ければ速いほど、仕事の効率は大きい。
- 強い力を必要とする運動を続けていても、筋肉を構成する個々の筋線維の太さは変わらないが、その数が増えることによって筋肉が太くなり筋力が増強する。
- 人が直立しているとき、姿勢保持の筋肉には、常に等張性収縮が生じている。
- 長時間の姿勢維持を伴うVDT作業などでは、持続的な筋収縮を必要とする等尺性収縮が主体となるため、血行不良や筋疲労が生じやすい。
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この過去問の解説 (4件)
01
1 グリコーゲンは、十分に酸素が供給されますと最後は乳酸になる。この部分が誤りです。乳酸が出るのは、酸素不足がもたらす筋肉の疲労からきます。酸素供給がベストですと、水と炭酸ガスに分解されます。
誤りの肢となります。
2 筋肉の収縮速度が程よい状態のときに、仕事の効率が最上になります。本肢も誤りです
3 筋肉は、運動すれば個々の筋線維の太さは増大して参ります。太さは変わらないが誤りです。
4 直立した姿勢では、その保持の筋肉は、等尺性収縮を常に起こしています。等張性収縮が誤りとなります。
5 パソコン等(VDT)の作業で見られる筋疲労です。その通りです。
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02
1 ×:筋肉を収縮させるためのエネルギー源としてグリコーゲンなどが使われます。グリコーゲンは酸素が十分に供給されると水と二酸化炭素に完全に分解されますが、酸素が不十分であると乳酸を生じます。以前は乳酸が筋肉痛や筋肉疲労を引き起こすと考えられていましたが、現在は間違いであるとされています。
2 ×:筋肉は、筋収縮しようとする瞬間に最大の力を発揮し、筋収縮の速さが適切なときに仕事の効率は最大になります。
3 ×:運動や筋トレ等を行っても筋肉繊維の数が増えることはありません。筋肉繊維が太くなることで筋力が増えていきます。
4 ×:筋収縮には「等尺性収縮(筋収縮を伴わないが筋肉を使っている状態。例:直立している、ぶら下がっているなど)」と、「等張性収縮(筋収縮を伴って筋肉を使う状態。例:持ち上げる、曲げるなど)」があります。直立しているときは等尺性収縮をしています。
5 ○:上記4の解説の通り、VDT作業(パソコン作業など)をしているときは、筋肉は姿勢保持のために等尺性収縮を行っています。
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03
2)筋肉の縮む速さが”適当な”時に仕事の効率は最もよくなります。
3)筋肉は、運動や労働によって1本1本の筋繊維が太くなります。そして、太い筋肉ほど収縮による力は大きいです。
4)人が直立している時、姿勢保持の筋肉は等尺性収縮を生じています。
5)設問の通りです。
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04
文のとおりです。
他の選択肢については以下のとおりです。
1.誤っています。文末の「最後に乳酸になる」という部分が誤りです。正しくは「水と二酸化炭素になる」です。酸素が不足していると完全に分解できないため、乳酸になります。
2.誤っています。
文中の「速ければ速いほど」という部分が誤りです。正しくは「適切な速度のとき」です。
3.誤っています。筋肉が太くなるのは1本1本の筋線維が太くなることで起こります。
4.文中の「等張性収縮」が誤りで正しくは「等尺性収縮」です。「等張性収縮」は関節組織を伴う収縮で、「等尺性収縮」は関節組織を伴いません。
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