第一種衛生管理者の過去問
平成29年10月公表
労働生理 問39

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問題

第一種 衛生管理者試験 平成29年10月公表 労働生理 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

体温調節に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 体温調節中枢は、小脳にあり、産熱と放熱とのバランスを維持し体温を一定に保つよう機能している。
  • 体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを同調性といい、筋肉と神経系により調整されている。
  • 寒冷にさらされ体温が正常より低くなると、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる。
  • 計算上、体重70kgの人の体表面から10gの汗が蒸発すると、体温が約1℃下がる。
  • 発汗のほかに皮膚及び呼気から水分が失われる現象を不感蒸泄という。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解 5

1 体温調節中枢は、視床下部にあります。小脳ではありません。本肢は誤りです

2 身体内部を一定に保つ生体の仕組みは同調性ではなく、生体恒常性(ホメオスタシス)のことです。また、神経系やホルモン等の相互作用により、維持されています。これも誤りの肢です。

3 体温が正常よりも低くなると、血管が収縮し血流量が減少するために体外への熱の放散が減ってきます。本肢は、逆の表現となります。本肢は誤りです。

4 気化熱が奪われるために体温が下がります。体重70㎏の人の体表面から100gの発汗で、体温が1℃下がります。本肢の10gが誤りとなります。

5 発汗や皮膚、呼気から1日約850gの水分が蒸発しています。この現象を不感蒸泄と言います。本肢はそのまま正しいです。

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02

●体温調節:
寒いとき…血管の収縮、筋肉の収縮などがおこる。
熱いとき…血管が拡張する、汗をかく、呼吸が活発になるなどがおこる。

(1)×:体温調節中枢は間脳の視床下部にあるため、誤りです。
(2)×:体内環境を一定に保つ生態の仕組みは「恒常性」というため、誤りです。
(3)×:寒いときは皮膚の血管を「収縮」して血流量を減らし、皮膚温度を低下することで皮膚からの熱放散を抑えます。よって誤りです。
(4)×:正しくは、体重70kgの人の体表面から100gの汗が蒸発すると体温が約1℃下がるため誤りです。
(5)○:そのまま覚えましょう。

よって、正解は(5)です。

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03

正しいものは5です。文のとおりです。

他の選択肢については以下のとおりです。
1.誤りです。文中の「小脳にあり」が誤りで、正しくは「間脳の視床下部」です。

2.誤りです。文中の「同調性といい、筋肉と神経系により」の部分が誤りで、正しくは「恒常性(ホメオスタシス)といい、自律神経系と内分泌系により」となります。

3.誤りです。「皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚体温を上昇させる」ではなく「皮膚の血管が収縮して血流量を減少させ、体温の低下を防ぐ」が正しいです。

4.誤りです。文中の「10g」が誤りで正しくは「100g」です。

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04

正解5

1.×
体温調節中枢は間脳の視床下部にあります。

2 .×
誤りです。体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みのことを恒常性といいます。これは自律神経系と内分泌系により調整されています。

3.×
誤りです。寒冷な環境では皮膚の血管は収縮し、血液量は減少して皮膚温は低下します。

4.×
計算上、体重70kgの人の体表面から100gの汗が蒸発すると、気化熱が奪われて体温が1度下がります。

【詳しい解説】水(汗)が100g蒸発するときの気化熱は約58kcalです。一方、人の比熱(1kgの人の体温を1度変化させるのに必要な熱量)は0.83kcalです。

70kgの人の場合、体温を1度変化させるには0.83×70 = 58.1kcal が必要になります。
これは水が100g蒸発するときの気化熱の値とほぼ同じになります。

以上から、理論上は体重70kgの人から100gの汗が蒸発すると体温が1度下がることになります。

5.◯
正しい記載です。人間は発汗のほかに、常時、呼気や皮膚表面からも水分を蒸発させており、この蒸発のことを不感蒸泄といいます。

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