第一種衛生管理者の過去問
平成29年10月公表
労働生理 問40
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問題
第一種 衛生管理者試験 平成29年10月公表 労働生理 問40 (訂正依頼・報告はこちら)
腎臓・泌尿器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 腎臓の腎小体では、糸球体から血液中の血球及び蛋白質以外の成分がボーマン嚢に濾し出され、原尿が生成される。
- 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。
- 腎臓は、背骨の両側に左右一対あり、それぞれの腎臓から複数の尿管が出て、膀胱につながっている。
- 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性である。
- 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分が全身の健康状態をよく反映するので、尿検査は健康診断などで広く行われている。
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この過去問の解説 (4件)
01
1 本肢の問題文は正しいです。尿の生成一過程の説明です。
2 具体的には、血液中のたんぱく質や赤血球等は、ろ過されずに再利用されることになります。本肢も正しいです。
3 本問題文の前半は正しいですが、後半のそれぞれの腎臓から複数の尿管が出て、の「複数」が明確に誤りとなります。「1本ずつ」が正しい表現となります。よって、本肢が誤りとなります。
4 この問題文のとおりです。弱酸性(pH5~7)になります。因みにpHは1~14段階で7が中性、数値が多いとアルカリ性であり、小さい数値は酸性となります。再確認のために追記しました。
5 全問題文通りとなります。なお、安衛法上の法定検査項目は、尿糖・尿蛋白・尿潜血になっています。
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02
(2)〇
(3)×:腎臓は2つあり、それぞれから1本の尿管が出て膀胱につながっているため誤りです。
(4)〇
(5)〇
よって、(3)が正解です。
問題文の(1)と(2)は、尿が作られる一連の流れとしてあわせて覚えると良いでしょう。
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03
腎臓の機能は複雑ですので、絵を書くなどして整理すると覚えやすいです。
腎臓はネフロンとよばれる単位から構成されており、1つの腎臓におよそ100万ネフロン存在しています。ネフロンは腎小体(糸球体+ボウマン嚢)と尿細管からなりたっています。
血液中の老廃物は糸球体からボウマン嚢に濾しだされます(後述)。ボウマン嚢に濾し出されたものは原尿と呼ばれ、原尿はボウマン嚢→尿細管→集合管→尿管と流れていき尿となります。尿細管や集合管では、体で再利用できるものは血液中に再吸収されます(後述)。
腎機能が正常な場合、糸球体からボウマン嚢に濾しされるものは【水分、糖(グルコース)、電解質】です。一方、濾し出されないものは【蛋白質、血球】です。
腎機能が正常な場合、尿細管から血液中に再吸収されるのは【水分、糖、電解質】などです。
1.◯
正しい記載です。糸球体からボウマン嚢に濾し出されるのは【水分、糖、電解質】です。つまり血液中の血球及び蛋白質以外の成分が濾しだされます。
2.◯
記載の通りです。
3.×
誤りです。腎臓は、背骨の両側に左右一対あり、それぞれの腎臓から1本ずつ尿管が出ていて、膀胱につながっています。
4.◯
尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性です。
5.◯
記載の通りです。血液中の尿素窒素(BUN)は、腎臓から排泄される老廃物の一種です。腎臓の働きが低下すると尿中に排泄できなくなるので、血液中の値が高くなります。腎臓病の指標として使われています。
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04
文中の「それぞれの腎臓から複数の尿管」が誤りで「それぞれの腎臓から1本ずつの尿管」が正しいです。
他の選択肢1,2,4,5については文のとおりで正しい記述です。
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