第一種衛生管理者の過去問 令和元年10月公表 労働生理 問43

１：×
代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪やグリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを異化といいます。
よって、誤った選択肢です。

２：×
代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて、細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることを同化といいます。選択肢1と同化と異化に関する説明が逆になっています。
よって、誤った選択肢です。

３：○
説明文の通りです。
正しい選択肢です。

４：×
エネルギー代謝率は、以下の式で表されます。
　エネルギー代謝率＝ある作業に要した総エネルギー量 ÷ 基礎代謝量

基礎代謝もエネルギー消費活動の一環ですので、作業に要するエネルギーだけでなく、基礎代謝量も酸素の消費となります。
そのため、「一定時間中に体内で消費された酸素と排出された酸素の容積比で表される」ことになります。
よって、誤った選択肢です。

５：×
エネルギー代謝率は、動的筋作業の強度を表す指標ですので、生理的負担を表す指標として用いられます。
エネルギー代謝率の指標には「ある作業に要した総エネルギー量」が用いられ、これは重量や作業時間などの身体的なものだけでなく、体の働きや機能に基づく負担も含めた総合的なものとなります。
例えば、細かいものを扱う作業などを行う際、身体的には健康でも視力が悪かったりすると、失敗しやすくなり作業回数が増えますので総エネルギー量が増えるといったことが挙げられます。
精神的作業や静的筋作業はエネルギーを消費しないため、エネルギー代謝率を適用することはできません。
よって、誤った選択肢です。

正解：3

1 ×：異化に関する説明です。

2 ×：同化に関する説明です。

3 ○：問題のとおりです。日本人の平均的な1日あたりの基礎代謝量は男性が約1500kcal、女性が約1200kcalとされています。

4 ×：エネルギー代謝量は、
（労働で消費したエネルギー-基礎代謝量の1.2倍）/基礎代謝量
で求められます。問題の計算では基礎代謝量に関する分が含まれていませんので誤りです。

5 ×：エネルギー代謝率は、精神的作業などのエネルギーをあまり消費しないものには適用できません。

正解3

1.× 2.×
同化：代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、ATPに蓄えられたエネルギーを用いて、細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることをいいます。

異化：代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪やグリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが生産されることをいいます。

3.◯
基礎代謝量は覚醒している（起きている）ときに、横臥、安静にした状態で測定します。

4.× 5.×
エネルギー代謝率とは、作業に要したエネルギーが基礎代謝量の何倍にあたるかを示しています。動的筋作業の強度を表す指標として用いられます。