第一種衛生管理者の過去問
令和3年4月公表
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問28

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第一種 衛生管理者試験 令和3年4月公表 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問28 (訂正依頼・報告はこちら)

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づくメンタルヘルスケアの実施に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
  • 心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、また、心の健康問題の発生過程には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しいという特性がある。
  • 心の健康づくり計画の実施に当たっては、メンタルヘルス不調を早期に発見する「一次予防」、適切な措置を行う「二次予防」及びメンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援を行う「三次予防」が円滑に行われるようにする必要がある。
  • 労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織などの要因によって影響を受けるため、メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多いことに留意する。
  • 労働者の心の健康は、職場のストレス要因のみならず、家庭・個人生活などの職場外のストレス要因の影響を受けている場合も多いことに留意する。
  • メンタルヘルスケアを推進するに当たって、労働者の個人情報を主治医等の医療職や家族から取得する際には、あらかじめこれらの情報を取得する目的を労働者に明らかにして承諾を得るとともに、これらの情報は労働者本人から提出を受けることが望ましい。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

【解説】

 2.に記載のある「一次予防」は、メンタルヘルス不調を早期に発見することが目的ではなく、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が目的と定められています。

 その他は説明文のとおりです。

参考になった数93

02

正解は(2)です。
一次予防は未然防止 二次予防が早期発見 三次予防が再発防止、職場復帰を支援 です。

メンタルヘルスケア、心の健康づくりは近年注目されている内容ですので、試験でも良く出てきます。
具体的な言葉の意味は覚えやすく正解しやすいですが、留意事項等は内容を理解していないと間違えやすいので注意してください。以下に代表的な内容を記載します。


・メンタルヘルスケアの推進にあたる留意事項
①心の健康問題の特性を知る事。
詳細はここでは省きますが、客観的な評価方法が確立していない。個人差が大きくプロセス把握が難しい。という内容です。
②個人のプライバシーへの配慮を行う事。
労働者のプライバシーの保護及び労働者の意思の尊重に留意することが重要であるという内容です。
③人事労務管理との関係
労働者の心の健康は、体の健康に比較し、職場配置、人事異動、職場の組織等の人事労務管理と密接に関係する要因によって、より大きな影響を受けるので人事労務との連携が大切 という内容です。
④家庭・個人生活等の職場以外の問題


・心の健康づくり計画で定める事項
①事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること
②事業場における問題点の把握及びメンタルヘルスケアの実施に関すること
③メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源の活用に関すること
④労働者のプライバシーへの配慮に関すること
⑤その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること
・メンタルヘルス不調の予防について
一次予防: 労働者が自分のストレス状況に気づき、メンタルヘルス不調を未然に防止する。
二次予防:メンタルヘルス不調の早期発見や早期治療による重症化の防止が目的
三次予防:再発の防止等を目的とし、メンタルヘルス疾病者が対象。
 メンタルヘルスが不調になった労働者の職場復帰を支援する取り組み。
・メンタルヘルスケアについて
 メンタルヘルスケアは、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の「4つのケア」が継続的かつ計画的に行われることが重要です。
その為に事業者は、①心の健康計画の策定、②関係者への事業場の方針の明示、③労働者の相談に応ずる体制の整備、④関係者に対する教育研修の機会の提供等、⑤事業場外資源とのネットワーク形成等を行う必要があります。

参考になった数61

03

正解:2

メンタルヘルスケアには3つの段階と、4つのケアがそれぞれあります。

【3つの段階】

一次予防…ストレスによってメンタルヘルスに不調をきたす前に予防する段階

二次予防…メンタルヘルスに不調があらわれた労働者を早めに発見して

     適切な措置を行う段階

三次予防…メンタルヘルス不調によって休職した労働者の職場復帰を

     サポートする段階

【4つのケア】

●セルフケア

労働者自身でストレスを予防し、気づいたときに適切に対処すること。

●ラインによるケア

管理監督者が職場のストレス要因を把握して改善すること。

●事業場内の産業保健スタッフ等によるケア

産業医や衛生管理者等の産業保健スタッフ等による支援。

セルフケア及びラインによるケアの実施をサポートする。

●事業場外資源によるケア

メンタルヘルスケアの専門知識を有する外部の機関やサービスを活用すること。

以上より、選択肢2の「一次予防」の説明とされている、【メンタルヘルス不調を早期に発見する】の部分が誤っています。

参考になった数45