第一種衛生管理者の過去問
令和4年10月公表
労働衛生(有害業務に係るもの) 問2

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和4年10月公表 労働衛生(有害業務に係るもの) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」において示されている化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 発生可能性及び重篤度を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸として、あらかじめ発生可能性及び重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法
  • 取り扱う化学物質等の年間の取扱量及び作業時間を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等する方法
  • 発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していく方法
  • ILOの化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)を用いる方法
  • 対象の化学物質等への労働者のばく露の程度及び当該化学物質等による有害性を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじめばく露の程度及び有害性の程度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

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この過去問の解説 (3件)

01

厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に示されている内容についての問題です。

選択肢1. 発生可能性及び重篤度を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸として、あらかじめ発生可能性及び重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

発生可能性及び重篤度に応じたリスクを縦軸と横軸に割り付けられた表を使用する方法は、マトリックス法と呼ばれます。

化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として、適切なものです。

選択肢2. 取り扱う化学物質等の年間の取扱量及び作業時間を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等する方法

取り扱う化学物質等の年間の取扱量や作業時間を対象としても、健康障害のリスクを見積ることはできません。

よって、リスクを見積もる方法として不適切な方法です。

選択肢3. 発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していく方法

発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していく方法は、枝分かれ(リストグラフ)法と呼ばれます。

化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として、適切なものです。

選択肢4. ILOの化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)を用いる方法

コントロール・バンディングは、化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として、適切なものです。

選択肢5. 対象の化学物質等への労働者のばく露の程度及び当該化学物質等による有害性を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじめばく露の程度及び有害性の程度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

ばく露の程度及び有害性の程度に応じてリスク縦軸と横軸に割り付けられた表を使用する方法は、マトリックス法と呼ばれます。ばく露と比較しているので正しいです。

化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として、適切なものです。

まとめ

厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」はリスクアセスメントの実施方法について詳しく記載されています。

全10ページ程度と、そう多くない内容ですので大まかな理解でも、実務で経験を積むことで得点源につなげることができます。

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02

リスクアセスメントの問題です。

リスクの見積り方と名称をひとつひとつ覚えましょう

選択肢1. 発生可能性及び重篤度を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸として、あらかじめ発生可能性及び重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

これは正しい選択肢になります。

この方法はマトリクス法と呼ばれています。

選択肢2. 取り扱う化学物質等の年間の取扱量及び作業時間を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等する方法

これは誤りの選択肢になります。

前半部分が誤っていて、後半部分は正しい記述です。

正しくは

「発生可能性及び重篤度を一定の尺度により数値化し、加算、乗算する方法」と

なります。

これを数値化法といいます。

選択肢3. 発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していく方法

これは正しい選択肢になります。

枝分かれ図法と呼ばれています。

選択肢4. ILOの化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)を用いる方法

これは正しい選択肢になります。

この方法はコントロール・バンディングと呼ばれています。

選択肢5. 対象の化学物質等への労働者のばく露の程度及び当該化学物質等による有害性を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじめばく露の程度及び有害性の程度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

これは正しい選択肢になります。

見慣れない選択肢となりますが、これも一つのリスクを見積もる方法となります。

この選択肢以外の選択肢は、危険物質が労働者に生じさせる発生可能性と重篤度を考える方法です。

それに対し、この選択肢は、労働者のばく露状況と有害性の程度を考える方法です。

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03

化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法に関する問題です。様々な手法がありますが、マトリクスを用いた方法・数値化による方法・枝分かれによる方法が代表的です。どの方法によるものか意識して覚えましょう。

選択肢1. 発生可能性及び重篤度を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸として、あらかじめ発生可能性及び重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

発生可能性及び重篤度を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸として、あらかじめ発生可能性及び重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法は、化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として適切です。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢2. 取り扱う化学物質等の年間の取扱量及び作業時間を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等する方法

取り扱う化学物質等の年間の取扱量及び作業時間を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等する方法は、化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として不適切です。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢3. 発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していく方法

発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していく方法は、化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として適切です。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢4. ILOの化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)を用いる方法

ILOの化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)を用いる方法は、化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として適切です。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢5. 対象の化学物質等への労働者のばく露の程度及び当該化学物質等による有害性を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじめばく露の程度及び有害性の程度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

対象の化学物質等への労働者のばく露の程度及び当該化学物質等による有害性を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじめばく露の程度及び有害性の程度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法は、化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として適切です。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

まとめ

本問で問われている方法以外としては、対象の業務について作業環境測定等により測定した作業場所における化学物質等の気中濃度を、当該化学物質等のばく露限界と比較する方法などがあります。あわせて覚えましょう。

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