第一種衛生管理者の過去問
令和4年10月公表
労働衛生(有害業務に係るもの) 問5

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和4年10月公表 労働衛生(有害業務に係るもの) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡(そう)を起こすことがある。
  • 電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。
  • 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺(ひ)することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。
  • 窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。
  • 減圧症は、潜函(かん)作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺(ひ)などの症状がみられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

作業環境における有害要因による健康障害とその症状についての問題です。

選択肢1. 低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡(そう)を起こすことがある。

説明文の通りです。

正しい選択肢です。

選択肢2. 電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。

電離放射線による中枢神経系障害は、確定的影響に分類されます。

よって、誤った選択肢です。

選択肢3. 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺(ひ)することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。

金属熱は、金属のヒュームを吸入することにより発生し、高温の発熱、悪寒、関節痛などの症状がみられます。

よって、誤った選択肢です。

選択肢4. 窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。

ほとんど無酸素状態の空気を吸入した場合は、即、窒息します。

その状態が約一分程度続くとチェーンストークを起こし、その後呼吸を停止します。

よって、誤った選択肢です。

選択肢5. 減圧症は、潜函(かん)作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺(ひ)などの症状がみられる。

減圧症とは、血液中に溶け込んだ窒素が浮上により圧力が下がっていくにつれて気泡を生じ、細い血管を閉塞したり組織を圧迫したりするものです。皮膚のかゆみ、関節痛、神経麻痺といった症状が見られます。

よって、誤った選択肢です。

まとめ

作業環境における有害要因による健康障害とその症状、原因に関する問題は頻出されます。

正確に覚えて確実な得点源にすることが重要です。

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02

作業環境における有害要因による健康障害に関する問題です。

選択肢1. 低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡(そう)を起こすことがある。

これは正しい選択肢になります。

0℃以上は凍瘡、0℃以下は凍傷となります。

選択肢2. 電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。

これは誤りの選択肢になります。

造血器障害は確定的影響に分類されます。

また、確率的影響にはしきい値はありません。

選択肢3. 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺(ひ)することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。

これは誤りの選択肢になります。

金属熱は、空気中の金属ヒュームを吸入することで発生し、

悪寒、発熱、関節痛などの症状が見られます。

選択肢4. 窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。

これは誤りの選択肢になります。

無酸素状態では5分も持ちません。

選択肢5. 減圧症は、潜函(かん)作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺(ひ)などの症状がみられる。

これは誤りの選択肢になります。

減圧症は血液中や組織に溶け込んでいた窒素が気泡化して発生するものです。

他の分野でも、窒素、炭酸ガス、酸素、二酸化炭素はすり替えられて出題されますので、

どの気体が原因なのかはよく覚えておきましょう。

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03

有害な要因や環境による健康障害についての問題です。衛生管理者試験では頻出分野といえます。

選択肢1. 低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡(そう)を起こすことがある。

低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡(そう)を起こすことがあります。

よって本選択肢の内容は正しいです。

選択肢2. 電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。

電離放射線による造血器障害は、確定的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加します。

本選択肢では、確率的影響となっているため、本選択肢の内容は誤りです。

なお、「しきい値」という用語は、確定的影響特有のものです。

選択肢3. 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺(ひ)することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。

金属熱は、亜鉛や銅などのヒュームを吸入することが原因により引き起こされるものです。

本選択肢では、高温環境によるものと記載されているため、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢4. 窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。

ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると、肺胞のガス交換が不可能となるため、一呼吸するだけでも危険です。

本選択肢では5分程度継続と記載されているため、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢5. 減圧症は、潜函(かん)作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺(ひ)などの症状がみられる。

減圧症は、潜函(かん)作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた窒素の気泡化が関与して発生します。

本選択肢では、炭酸ガスとなっているため、本選択肢の内容は誤りです。

まとめ

本設問で問われている内容は、すべて重要であり試験での頻出項目です。あわせて、騒音性難聴や振動による健康障害も押さえておきましょう。

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