第一種衛生管理者の過去問
令和4年10月公表
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問6

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和4年10月公表 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

労働衛生管理に用いられる統計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。
  • 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。
  • 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、一定期間において有所見とされた人の割合を発生率という。
  • 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値によって表される。
  • 静態データとは、ある時点の集団に関するデータであり、動態データとは、ある期間の集団に関するデータである。

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この過去問の解説 (3件)

01

労働衛生管理に用いられる統計に関する問題です。

選択肢1. ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。

説明文の通りです。

正しい選択肢です。

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

説明文の通りです。

正しい選択肢です。

選択肢3. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、一定期間において有所見とされた人の割合を発生率という。

説明文の通りです。

正しい選択肢です。

選択肢4. 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値によって表される。

生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのバラツキの程度は、分散や標準偏差によって表されます。

平均値や最頻値ではありません。

よって、誤った選択肢です。

選択肢5. 静態データとは、ある時点の集団に関するデータであり、動態データとは、ある期間の集団に関するデータである。

説明文の通りです。

正しい選択肢です。

まとめ

多くの対象のばらつきの程度は、正規分布に従います。

正規分布において、ばらつきの程度(ばらつきの幅)は標準偏差によって決まります。

統計の知識があれば正解することは可能ですが、内容を覚えておくことは重要です。

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02

労働衛生管理統計の目的は、労働衛生診断によって問題点を出して、問題点の重要性と労働衛生管理業務の目標を明らかにすることが1つです。

もう一つは産業疫学によって問題の原因を探り、対策の立案や有効値を推測することです。

選択肢1. ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。

〇 正しいです。

<相関関係と因果関係>

2つの事象があって、統計して関係を見ると、一方が多いと他方も多く、その割合を計算で求められるようなデータであれば、相関関係があると言います。しかし、因果関係とは、2つの事象が原因と結果で結ばれている関係であって、相関関係があったとしても因果関係があるかというと、必ずしもあるとは言えません。

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

〇 正しいです。

集団の特性を知るためには、データの平均値・中央値などの値の他に、データがどれほどバラつくかを知る必要があり、そのバラつきがどれほどかを知る方法が、分散・標準偏差などのデータです。このようなデータの意味や出し方は統計の本を読めば分かりますが、衛生管理者試験では、数値を求める問題は出ることはないでしょう。なお、データを集めて分布を調べると正規分布になっていることが知られています。

集団をデータで比較しようとする時、同じ正規分布の形になる事は稀で、平均値や分散などの値が異なることが多く、集団にも異なる特徴があることが分かります。

選択肢3. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、一定期間において有所見とされた人の割合を発生率という。

〇 正しいです。

選択肢4. 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値によって表される。

× 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値ではなく、標準偏差や分散によって表されます。

選択肢5. 静態データとは、ある時点の集団に関するデータであり、動態データとは、ある期間の集団に関するデータである。

〇 静態データとは、ある時点の集団に関するデータであり、動態データとは、ある期間の集団に関するデータです。

例えば、有所見率は静態データで、一方、発生率は動態データです。

まとめ

労働衛生管理に用いられる統計に関しては、最近になって1年おきくらいに出題されていますが、選択肢の全部が同じ内容です。

もちろん正解の順番は異なりますが、統計の問題もあまり複雑な問題は出されないということでしょうか。

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03

疫学・統計学の知識を問う問題です。

選択肢1. ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。

設問の通りです。

統計における「相関」はデータにパターンがあることを言い、片方が増えるともう片方も増える、というように一緒に変動します。

ある事象が増えると健康事象も増える時には相関関係が認められます。

ですがその事象が健康事象が増えた原因であるかどうかは分かりません。相関関係だけで因果関係があるとは言えません。

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

設問の通りです。

統計において「分散」とは、データのばらつき度合を表す指標です。

【ある集団A】1 5 3 9 12   合計30 平均値6

【ある集団B】2 2 12 1 13  合計30 平均値6

どちらも平均値は同じです。

ですがそれぞれの数字は異なっており、データはばらついているので異なった特徴を持つ集団であると言えます。

選択肢3. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、一定期間において有所見とされた人の割合を発生率という。

設問の通りです。

〇月△日、100人に検査を行い、所見のある人が20人いた時の有所見率は

20 ÷ 100 = 0.2(20%)となります。

〇月△日時点での有所見率は20%であり、この検査をした時点の集団における有所見者の割合を指します。

発生率は特定の期間内に集団で新たに生じた疾病の症例数を表します。

選択肢4. 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値によって表される。

誤りです。

×平均値や最頻値

正規分布のばらつきの程度を表すのは、標準偏差や分散です。

標準偏差は平均値からのデータのばらつき度合を表す指標の1つ。

分散はデータのばらつき度合を表す指標の1つです。

選択肢5. 静態データとは、ある時点の集団に関するデータであり、動態データとは、ある期間の集団に関するデータである。

設問の通りです。

静態データとは「ある時点」の集団のデータで〇月△日、というようにある時点。

動態データは週ごとや月ごと、半年ごとなどある期間の集団のデータです。

まとめ

過去問を繰り返して、統計用語は覚えてしまいましょう。

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