第一種衛生管理者の過去問
令和5年10月公表
労働衛生(有害業務に係るもの) 問4
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問題
第一種 衛生管理者試験 令和5年10月公表 労働衛生(有害業務に係るもの) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 一酸化炭素による中毒では、ヘモグロビン合成の障害による貧血、溶血などがみられる。
- 弗(ふっ)化水素による中毒では、脳神経細胞が侵され、幻覚、錯乱などの精神障害がみられる。
- シアン化水素による中毒では、細胞内の酸素の利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。
- 塩化ビニルによる慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕(しょく)症などがみられる。
- 塩素による中毒では、再生不良性貧血、溶血などの造血機能の障害がみられる。
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この過去問の解説 (2件)
01
化学物質による健康障害に関する問題です。
労働災害を防ぐためにも必要な知識です。
では、選択肢をみていきましょう。
誤りです。
ヘモグロビン合成障害を引き起こすのではなく、
ヘモグロビンに一酸化炭素が結合し、酸素運搬を妨げます。
その結果、体中に酸素が行き渡らなくなり障害が残ります。
軽度では頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が起こり、
重度では、意識障害、昏睡が起こります。
誤りです。
弗化水素による中毒では、弗化水素を吸い込んだことにより、
上気道の強い痛み、せき、吐き気、頭痛、呼吸困難を起こします。
曝露量が多くなると、
喀血や急性低酸素血症性呼吸不全を起こす場合があります。
正しいです。
細胞呼吸が妨げられ、呼吸困難やけいれんが起こります。
また、後遺症症状としてパーキンソン症候群が指摘されています。
誤りです。
塩化ビニルによる中毒では、急性の場合は、めまい、吐き気、
見当識障害などがあり、長期にわたる曝露では、肝血管肉腫、
肝脾腫、食道及び胃の静脈瘤などがみられます。
誤りです。
塩素ガスは呼吸器系を強く刺激するため、呼吸困難などが起こります。
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02
化学物質による健康障害に関する問題です。過去問でも何度も出題されています。
一酸化炭素による中毒は、ヘモグロビンが合成されることの障害が起きるわけではなく、一酸化炭素が血液のヘモグロビンと結合した結果、血液が酸素を運搬する能力が減少することにより引き起こされます。
よって、本選択肢の内容は誤りです。
弗化水素による中毒では、斑状歯や骨硬化症の症状が引き起こされます。脳神経細胞が侵されて精神障害がみられることはありません。
よって、本選択肢の内容は誤りです。
シアン化水素に中毒では細胞の酸素代謝が直接阻害された結果、呼吸困難やけいれんなどの症状がみられます。
よって、本選択肢の内容は正しいです。
塩化ビニルによる慢性中毒では、発がんや肝機能障害などの症状がみられます。慢性気管支炎、歯牙酸蝕(しょく)症ではありません。
よって、本選択肢の内容は誤りです。
塩素の急性毒性としては、皮膚腐食性、眼刺激性、呼吸器系への障害などがみられます。また、長期ばく露による健康障害としては、呼吸器系、腎臓、歯の障害などがみられます。再生不良性貧血、溶血などの造血機能の障害ではありません。
よって、本選択肢の内容は誤りです。
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