第一種衛生管理者の過去問
令和5年10月公表
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問3

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和5年10月公表 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

労働衛生管理に用いられる統計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値によって表される。
  • 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。
  • 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、このようなデータを静態データという。
  • 健康診断において、対象人数、受診者数などのデータを計数データといい、身長、体重などのデータを計量データという。
  • ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。

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この過去問の解説 (3件)

01

統計用語に関する問題です。

正規分布やばらつき、分散など基本的な用語の意味は理解しておきましょう。

 

では、選択肢を見ていきましょう。

 

選択肢1. 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値によって表される。

誤りです。

平均値、最頻値は「代表値」と呼ばれるものです。

ばらつきの程度は、分散、標準偏差、範囲で表します。

 

ここで出てきた用語について補足します。

正規分布:平均値と最頻値・中央値が一致し、
     それを軸として左右対称となっている確率分布

平均値:全データの合計を、データ数で割った値

最頻値:データの中で最も多く存在する値

中央値:データを大きい(又は小さい)値の順に並べた場合の中央の値

分散:値のばらつき度合い

標準偏差:分散の平方根

範囲:最大値と最小値の差

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

正しいです。文のとおりです。

選択肢3. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、このようなデータを静態データという。

正しいです。文のとおりです。

 

静態データとは、ストックデータともいい、
ある「時点」の集団に関するデータです。

 

これに対し、動態データとは、フローデータともいい、
ある「期間」の集団に関するデータです。

選択肢4. 健康診断において、対象人数、受診者数などのデータを計数データといい、身長、体重などのデータを計量データという。

正しいです。文のとおりです。

 

漢字で示されたように数えることできるものが計数データ、
測らないと数値が分からないものは計量データです。

選択肢5. ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。

正しいです。文のとおりです。

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02

労働衛生管理に用いられる統計に関する問題です。過去問と類似していますので、過去問を中心に理解しましょう。

選択肢1. 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値によって表される。

ばらつきの程度は、標準偏差や分散で表されます。平均値や最頻値はばらつきとは関係ありません。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

平均値が正常値であって、分散が異なれば、異なった特徴をもつ集団であると評価することになります。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢3. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、このようなデータを静態データという。

有所見率は、健康診断が実施された時点における、集団のデータのことであるため、「静態データ」(ある時点の集団に関するデータ)といえます。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢4. 健康診断において、対象人数、受診者数などのデータを計数データといい、身長、体重などのデータを計量データという。

「計数データ」とは個数を数えたデータ、「計量データ」とは連続的な量を測定したデータのことをいいます。

対象人数、受診者数などは「計数データ」、身長、体重などのデータは「計量データ」に該当します。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢5. ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。

統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限りません。偶然の事象の可能性もあり因果関係があるとまでは言い切れません。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

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03

労働衛生管理に用いられる統計について、各選択肢の用語等を確認していきます。

選択肢1. 生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、平均値や最頻値によって表される。

誤りです。

ある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は分散や標準偏差によって表されます。

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

正しいです。

選択肢の説明文の通りです。

選択肢3. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、このようなデータを静態データという。

正しいです。

選択肢の説明文の通りです。

選択肢4. 健康診断において、対象人数、受診者数などのデータを計数データといい、身長、体重などのデータを計量データという。

正しいです。

選択肢の説明文の通りです。

選択肢5. ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。

正しいです。

選択肢の説明文の通りです。

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