第一種衛生管理者 過去問
令和6年10月公表
問13 (労働衛生(有害業務に係るもの) 問3)
問題文
有機溶剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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問題
第一種 衛生管理者試験 令和6年10月公表 問13(労働衛生(有害業務に係るもの) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
有機溶剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 有機溶剤の多くは、揮発性が高く、その蒸気は空気より重い。
- 有機溶剤による障害のうち、皮膚や粘膜の症状には、皮膚の角化、結膜炎などがある。
- 低濃度の有機溶剤の繰り返しばく露では、頭痛、めまい、記憶力減退、不眠などの不定愁訴がみられる。
- メタノールによる障害として顕著なものは、網膜微細動脈瘤(りゅう)を伴う脳血管障害である。
- キシレンのばく露の生物学的モニタリングの指標としての尿中代謝物は、メチル馬尿酸である。
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この過去問の解説 (3件)
01
有機溶剤に関する基本的な知識を横断的に問う問題です。
多くの有機溶剤に共通する特徴としては、①揮発性が高い、②その蒸気は空気より重いという点があげられます。
よって、本選択肢の内容は正しいです。
なお、この特徴を有するため、有機溶剤を取り扱う作業場に設置する局所排気装置は、上方吸引型よりも下方吸引型の方が効果的です。あわせて覚えましょう。
有機溶剤が引き起こす障害の中で、皮膚に起こる急性的な症状として、皮膚の痛み、紅斑、水疱などがあげられます。さらに角化や結膜炎などを引き起こす場合もあります。
よって、本選択肢の内容は正しいです。
低濃度の有機溶剤に繰り返してばく露すると、精神障害や神経障害が引き起こされることがあります。さらにその結果として、頭痛やめまい、不眠、記憶力の低下に加えて不定愁訴などが症状としてみられます。
よって、本選択肢の内容は正しいです。
メタノールが引き起こす健康障害として顕著なものは、眼の損傷、中枢神経系への影響や麻酔作用などです。
よって、本選択肢の内容は誤りです。
キシレンにばく露したかどうかを測る生物学的モニタリングの指標としては、尿中代謝物にメチル馬尿酸がどの程度含まれているかがあげられます。
よって、本選択肢の内容は正しいです。
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02
有機溶剤の特徴、症状、健康診断などに関する問題です。
有機溶剤は沢山の種類があり、過去の問題では、下の各選択肢に記載したもの以外の有機溶剤についても出題されています。
その為、過去問を解きながら情報を追加して覚えていく様にして下さい。
正しいです。
有機溶剤の主な特徴は以下の通りです。
・揮発性が高い
・油脂に溶けやすい
・蒸気は空気よりも重い
・水より軽く、水とは混ざりにくい
・引火性があるものが多い
・有害なものが多い
・蒸気を吸ったり、皮膚から浸透し、障害を引き起こすことがある
正しいです。
皮膚の障害の例
皮膚の痛み
紅斑
水疱
アレルギー性接触皮膚炎
皮膚硬化(角化)
色素沈着
目の障害の例
流涙
充血
眼痛
結膜炎
正しいです。
低濃度の有機溶剤の繰り返しばく露では、以下の様な症状が現れる事があります。
・頭痛
・めまい
・記憶力減退
・不眠
・失神
・手足のしびれ
・神経障害 など
誤りです【正解】
メタノールによる主な障害は、視神経障害による視力低下です。
その他の主な有機溶剤による障害の例は以下が挙げられます。
・ベンゼン:造血器障害による貧血
・二硫化炭素:精神障害、多発性神経炎
・ノルマルヘキサン:末梢神経障害
・トリクロロメタン・ジクロロプロパン:発がん性
・硫化水素:意識消失、呼吸麻痺
・N,N-ジメチルホルムアミド:頭痛、肝機能障害
・弗化水素:骨の硬化、斑状歯、歯牙酸蝕症、肺炎、肺水腫、腎障害など
・ベンゼン:再生不良性貧血、白血病などがみられる。
正しいです。
その他の主な有機溶剤の生物学的モニタリングの指標は下記が挙げられます。
・トルエン:尿中馬尿酸
・スチレン:尿中マンデル酸
・ノルマルヘキサン:尿中2,5-ヘキサンジオン
・鉛:尿中デルタ-アミノレブリン酸
・トリクロロエチレン:尿中トリクロロ酢酸
・1,1,1-トリクロルエタン :尿中トリクロル酢酸又は総三塩化物
・N,N-ジメチルホルムアミド :尿中N-メチルホルムアミド
・テトラクロルエチレン、トリクロルエチレン:尿中トリクロル酢酸又は総三塩化物
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03
有機溶剤に関する基本的な問題です。
有機溶剤の特徴、発生する症状、健康診断や作業環境測定等の必要な対応等、
覚えるべきことが多くあります。
当設問含めて問題をたくさん解いて知識を増やしてください。
正しいです。
有機溶剤の多くは、
・揮発性がある
・蒸気が空気より重い
・引火性がある
・油脂に溶けやすい
・水に溶けにくい
といった特徴があります。
正しいです。
有機溶剤は油脂に溶けやすいことから皮膚から体に侵入しやすく、
皮膚の角化、結膜炎等の障害を引き起こすことがあります。
正しいです。
有機溶剤が暴露した際の症状において、高濃度の場合、低濃度で繰り返し(長時間)暴露した場合とで
次の特徴があります。
高濃度:急性中毒(意識障害、呼吸不全、呼吸麻痺等)
低濃度(長時間):慢性中毒(疲れやすい、だるい、頭が痛い、めまいがする等)
間違いです。
メタノールによる障害は以下の通りです。
・吐き気、嘔吐
・腹痛、下痢
・めまい、頭痛
・衰弱、意識障害
・痙攣
・視力障害
・昏睡、発作
・脳浮腫
・徐脈から呼吸停止、心停止
正しいです。
尿中代謝物として他に以下のモノがあります。
・尿中メチル馬尿酸(キシレンの代謝物)
・尿中マンデル酸(スチレンの代謝物)
・尿中N-メチルホルムアミド(N,N-ジメチルホルムアミドの代謝物)
・尿中トリクロル酢酸または尿中総三塩化物(1,1,1-トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレンの代謝物)
・尿中馬尿酸(トルエンの代謝物)
・尿中2,5-ヘキサンジオン(n-へキサンの代謝物)
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