第一種衛生管理者 過去問
令和6年10月公表
問14 (労働衛生(有害業務に係るもの) 問4)

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和6年10月公表 問14(労働衛生(有害業務に係るもの) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす。
  • シアン化水素による中毒では、細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。
  • 硫化水素による中毒では、意識消失、呼吸麻痺(ひ)などがみられる。
  • 塩化ビニルによる慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕(しょく)症などがみられる。
  • 弗(ふっ)化水素による慢性中毒では、骨の硬化、斑状歯などがみられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

化学物質と引き起こされる健康障害の組み合わせについては、頻出問題です。以下に記載している主な組み合わせについて覚えるようにしましょう。

一酸化炭素:体内組織の酸素欠乏状態
ベンゼン:再生不良性貧血、白血病

シアン化水素:呼吸困難、けいれん
硫化水素:意識消失、呼吸麻痺
ふっ化水素:慢性中毒として、骨の硬化や斑状歯

無機水銀:腎障害

塩化ビニル:肝臓がんや血管肉腫などのがん、肝機能障害など
ノルマルヘキサン:末梢神経障害
N,N-ジメチルホルムアミド:頭痛、肝機能障害

選択肢1. 一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす。

一酸化炭素は、酸素欠乏状態を引き起こします。赤血球中のヘモグロビンと強く結合することが原因となっています。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢2. シアン化水素による中毒では、細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。

シアン化水素による中毒は、呼吸困難やけいれんを引き起こします。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢3. 硫化水素による中毒では、意識消失、呼吸麻痺(ひ)などがみられる。

硫化水素による中毒は、意識消失や呼吸麻痺を引き起こします。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢4. 塩化ビニルによる慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕(しょく)症などがみられる。

塩化ビニルによる中毒は、肝臓がんなどのガンや肝機能障害を引き起こします。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢5. 弗(ふっ)化水素による慢性中毒では、骨の硬化、斑状歯などがみられる。

ふっ化水素による中毒は、骨の硬化や斑状歯を引き起こします。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

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02

有機溶剤による障害の例を下記に挙げます。

多岐にわたりますが、出題傾向があるので、過去に出題された化学物質を中心に覚えると良いと思います。

 

(今回出題分)

一酸化炭素赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態

シアン化水素:細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれん

硫化水素:意識消失、呼吸麻痺

塩化ビニル:慢性中毒で、肝血管肉腫、肝脾腫、食道及び胃の静脈瘤、皮膚の硬化性病変

弗化水素:骨の硬化、斑状歯、歯牙酸蝕症、肺炎、肺水腫、腎障害など

 

(過去に出題された物質の例)

ベンゼン:造血器障害による貧血、白血病

二硫化炭素:精神障害、多発性神経炎
ノルマルヘキサン:末梢神経障害
トリクロロメタン・ジクロロプロパン:発がん性

N,N-ジメチルホルムアミド:頭痛、肝機能障害

選択肢1. 一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす。

正しいです。

選択肢2. シアン化水素による中毒では、細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。

正しいです。

選択肢3. 硫化水素による中毒では、意識消失、呼吸麻痺(ひ)などがみられる。

正しいです。

選択肢4. 塩化ビニルによる慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕(しょく)症などがみられる。

誤りです【正解】

 

塩化ビニルの慢性的なばく露で、以下のような障害が起こります。

・肝血管肉腫や肝脾腫

・食道及び胃の静脈瘤

・皮膚の硬化性病変 など

選択肢5. 弗(ふっ)化水素による慢性中毒では、骨の硬化、斑状歯などがみられる。

正しいです。

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03

化学物質による健康障害は衛生管理者として頭に入れておくべき項目です。

当設問を参考に一つずつ認識していきましょう。

以下の項目はよく聞かれるので覚えておきましょう。

・一酸化炭素:赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす

・シアン化水素:細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれん等を起こす

・硫化水素:意識消失、呼吸麻痺等を起こす

・塩化ビニル:慢性中毒では、肝血管肉腫、肝脾腫、食道及び胃の静脈瘤、皮膚の硬化性病変等が起こる

・フッ化水素:骨の硬化、斑状歯等が起こる

・硫黄酸化物:血液中のヘモグロビンと結合し、血液の酸素運搬能力を低下させる

・ベンゼン:造血器官に重大な障害を起こし、貧血や急性骨髄性白血病(AML)の発症に発展

選択肢1. 一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす。

正しいです。

選択肢2. シアン化水素による中毒では、細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。

正しいです。

選択肢3. 硫化水素による中毒では、意識消失、呼吸麻痺(ひ)などがみられる。

正しいです。

選択肢4. 塩化ビニルによる慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕(しょく)症などがみられる。

間違いです。

・塩化ビニルによる慢性中毒では、以下の症状がみられます。

・肝血管肉腫、肝脾腫、食道及び胃の静脈瘤

・皮膚の硬化性病変

・気管支炎

・歯牙酸蝕症

・肺気腫、肺線維症

・レイノー現象

・四肢先端の骨端融解

・強皮症

選択肢5. 弗(ふっ)化水素による慢性中毒では、骨の硬化、斑状歯などがみられる。

正しいです。

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