第一種衛生管理者 過去問
令和6年10月公表
問44 (労働生理 問10)

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問題

第一種 衛生管理者試験 令和6年10月公表 問44(労働生理 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

腎臓・泌尿器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ネフロン(腎単位)は、尿を生成する単位構造で、1個の腎小体とそれに続く1本の尿細管から成り、1個の腎臓中に約100万個ある。
  • 腎臓の腎小体では、糸球体から血液中の蛋(たん)白質以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。
  • 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。
  • 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分が全身の健康状態をよく反映するので、尿を採取して尿素窒素の検査が広く行われている。
  • 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

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この過去問の解説 (2件)

01

〇腎臓の構造

・人には腎臓が2つあり、1つの腎臓にはネフロン(腎単位)という尿をつくる機能単位が約100万個集まっています。

 

・ネフロンは、糸球体ボーマンのう、そして尿細管で構成されています。それぞれの構成は以下の通りです。

 糸球体:細い毛細血管が毛糸玉のように丸くなっているもの


 ボーマンのう:糸球体を包んでいる袋状のもの。

        また、糸球体とボーマンのうを合わせて腎小体といいます。
 

尿細管:ボーマンのうと繋がっている細い管。ここから、腎盂ー尿管ー膀胱とつながっています。

 

・尿は以下の様につくられます。

 1.血液は「糸球体」「ボウマン囊」「尿細管」の順で流れます

 

 2.糸球体で、蛋白質や血球以外の、糖質、アミノ酸、電解質、尿素などを含む血漿成分をボウマン囊へ濾し出します(原尿といいます)

 

 3.尿細管で、身体に必要な水や糖質、アミノ酸、電解質などを再吸収し、不要なものを尿として送り出します。

選択肢1. ネフロン(腎単位)は、尿を生成する単位構造で、1個の腎小体とそれに続く1本の尿細管から成り、1個の腎臓中に約100万個ある。

正しいです。

選択肢2. 腎臓の腎小体では、糸球体から血液中の蛋(たん)白質以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

正しいです。

選択肢3. 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。

正しいです。

 

ここでは、原尿の大半が再吸収されます。

選択肢4. 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分が全身の健康状態をよく反映するので、尿を採取して尿素窒素の検査が広く行われている。

誤りです。【正解】

 

尿の成分が全身の健康状態を反映している点は正しいです。

 

尿素窒素の検査は血液で行い、尿で行うものではありません。この点が誤りです。

選択肢5. 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

正しいです。

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02

腎臓・泌尿器系に関する基本的な知識を問う問題です。

選択肢1. ネフロン(腎単位)は、尿を生成する単位構造で、1個の腎小体とそれに続く1本の尿細管から成り、1個の腎臓中に約100万個ある。

ネフロン(腎単位)とは、尿を生成する単位構造のことです。ネフロンは、1個の腎小体と1本の尿細管から成っており、1個の腎臓中に存するネフロンの数は、約100 万個です。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢2. 腎臓の腎小体では、糸球体から血液中の蛋(たん)白質以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。

腎小体においては、糸球体から血液中の血球や蛋白質以外の成分がボウマン嚢に濾し出され、原尿が生成されています。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

 

選択肢3. 腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。

腎臓の尿細管においては、原尿に多く含まれる水分や身体活動に必要とされる成分が血液中に再吸収されることになります。その結果、再吸収されなかった残りが尿として生成されています。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢4. 尿の約95%は水分で、約5%が固形物であるが、その成分が全身の健康状態をよく反映するので、尿を採取して尿素窒素の検査が広く行われている。

尿素窒素(BUNといいます)は、血液中の濃度を検査するものです。そのため、尿中素濃度を検査するものではありません。定期健康診断の尿検査などで活用されています。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

選択肢5. 尿の生成・排出により、体内の水分の量やナトリウムなどの電解質の濃度を調節するとともに、生命活動によって生じた不要な物質を排出する。

尿の量の増減には、体内の水分や血液中の電解質(血液に溶けているカルシウムやナトリウムなどのことをいいます。)の濃度を調節する役割があります。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

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