第一種衛生管理者 過去問
令和7年4月公表
問29 (労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問2)

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問題

第一種衛生管理者試験 令和7年4月公表 問29(労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

労働衛生管理に用いられる統計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 病休度数率は、在籍労働者の延べ実労働時間数100万時間当たりの疾病休業件数で示される。
  • 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。
  • ばらつきをもって分布するデータの代表値として、平均値、中央値などがあるが、どの代表値を選択するかは、データの内容と分布による。
  • 二つの事象の間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、それらの間に因果関係がないこともある。
  • 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、これは発生率と同じ意味で用いられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

統計用語に関する問題です。

選択肢をみていきましょう。

選択肢1. 病休度数率は、在籍労働者の延べ実労働時間数100万時間当たりの疾病休業件数で示される。

正しいです。文のとおりです。

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

正しいです。文のとおりです。

選択肢3. ばらつきをもって分布するデータの代表値として、平均値、中央値などがあるが、どの代表値を選択するかは、データの内容と分布による。

正しいです。文のとおりです。

ばらつきの程度は、分散、標準偏差、範囲で表します。

用語について、補足します。

平均値:全データの合計を、データ数で割った値

中央値:データを大きい(又は小さい)値の順に並べた場合の中央の値

分散:値のばらつき度合い

標準偏差:分散の平方根

範囲:最大値と最小値の差

選択肢4. 二つの事象の間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、それらの間に因果関係がないこともある。

正しいです。文のとおりです。

選択肢5. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、これは発生率と同じ意味で用いられる。

誤りです。

有所見者とは、健康診断の結果、

いずれかの項目で何らかの異常がある人を指します。

厚生労働省は、

医師の診断が「異常なし」「要精密検査」「要治療等」のうち、

「異常なし」以外の者を有所見者と定義しています。

ある集団のこの有所見者の割合が有所見率です。

これに対し、発生率は、

特定の期間内に集団に新たに生じた疾病の症例数を割合として示すものです。

よって、同じ意味ではありません。

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02

労働衛生管理では、

労働者の安全や健康の保持増進を目的として、

作業環境や疾病の発生状況などの統計を利用します。

選択肢1. 病休度数率は、在籍労働者の延べ実労働時間数100万時間当たりの疾病休業件数で示される。

病休度数率は、在籍労働者の延べ実労働時間数100万時間当たりの疾病休業件数で示されますので、

これは正しいと考えられます。

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

分散は、平均値と、

それぞれのデータの差で表され、

データのばらつきを示します。

 

集団を比較する場合、

調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、

異なった特徴をもつ集団であると評価できますので、

これは正しいと考えられます。

選択肢3. ばらつきをもって分布するデータの代表値として、平均値、中央値などがあるが、どの代表値を選択するかは、データの内容と分布による。

ばらつきをもって分布するデータの代表値として、

平均値、中央値などがあります。

 

平均値は、

データに外れ値がある場合にはその影響を受けやすいといわれており、

中央値は、外れ値の影響が少ないといわれています。

 

こうした特徴をふまえ、

どの代表値を選択するかは、

データの内容と分布によるといえますので、

これは正しいと考えられます。

選択肢4. 二つの事象の間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、それらの間に因果関係がないこともある。

相関関係とは、

2つの事象の間に関連性がある関係のことであり、

因果関係とは、

原因と結果の関係があることです。

 

二つの事象の間に、統計上、

一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、

それらの間に因果関係がないことがありますので、

これは正しいと考えられます。

選択肢5. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、これは発生率と同じ意味で用いられる。

有所見率は、ある検査において異常なしと判断された者以外、つまり有所見者の割合を示したものです。

 

発生率は、ある特定の期間内にある集団に新たに生じた疾病の症例数の割合です。

  

有所見率は、発生率と同じ意味で用いられるとはいえません。

 

誤っているものを選びますので、

これが正答であると考えられます。

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03

統計手法に関して、ある程度統計手法の内容を理解しておきましょう。

選択肢1. 病休度数率は、在籍労働者の延べ実労働時間数100万時間当たりの疾病休業件数で示される。

正しいです。病休度数率は、在籍労働者の延べ実労働時間数100万時間当たりの疾病休業件数で示されます。
 

選択肢2. 集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。

正しいです。集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価されます。
 

選択肢3. ばらつきをもって分布するデータの代表値として、平均値、中央値などがあるが、どの代表値を選択するかは、データの内容と分布による。

正しいです。ばらつきをもって分布するデータの代表値として、平均値、中央値などがあるが、どの代表値を選択するかは、データの内容と分布によります。
 

選択肢4. 二つの事象の間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、それらの間に因果関係がないこともある。

正しいです。二つの事象の間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、それらの間に因果関係がないこともあります。
 

選択肢5. 健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の割合を有所見率といい、これは発生率と同じ意味で用いられる。

誤りです。有所見率とは、ある時点における検査上の有所見者の出現割合です。発生率とは、一定期間内に特定の集団で新たに発生した疾病の症例数を割合で示したものです。
 

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