第二種衛生管理者の過去問
平成27年4月公表
労働生理 問23

正解　4

ここでは、血液の循環につきましてフローを書いてみます。
肺で酸素を吸入⇒肺静脈（動脈血）⇒左心房→左心室⇒大動脈（動脈血）⇒各組織に酸素供給⇒不要Ｃo2の取込み⇒大静脈（静脈血）⇒右心房→右心室⇒肺動脈（静脈血）⇒Ｃo2の排出、この行程を繰り返します。
この略図を前提にしまして、設問を見てみましょう。

1　模式図の血管アは、静脈血になります。正しいです。

2　血管イは動脈血になります。正しいです。

3　不要のＣo2を多く取り込んでいるためです。正しいです。

4　誤りとなります。血管カは、腎臓で尿素等を十分にろ過された血液が流れます。ところが、血管エは、十分にろ過されていない尿素等の老廃物も含まれて（静脈血）流れているからです。

5　消化酵素を必要とする血液です。正しいです。

誤っているものは４です。
「血管カ」は腎静脈です。腎静脈は、腎臓で尿素窒素などをろ過した血液が流れています。「血管エ」は肝静脈です。ここは、ろ過されていない老廃物が含まれている血液が通ります。そのため、肝静脈の方が尿素が多く含まれています。よって、誤りです。

他の選択肢については以下のとおりです。

１．正しいです。「血管ア」は肺動脈、「血管イ」は大動脈です。肺で酸素を受け取るため、静脈血が流れています。

２．正しいです。理由は１と同じで肺で酸素を受け取るためです。上記で述べていない血管名ですが「血管ウ」が下大静脈、「血管オ」が門脈です。

３．正しいです。下大静脈は、全身を巡った血液が酸素を配達し終えて戻ってくる血管だからです。

５．正しいです。門脈は別名、栄養血管とも呼ばれています。

１：○
説明文の通りです。
正しい選択肢です。

２：○
説明文の通りです。
正しい選択肢です。

３：○
説明文の通りです。
正しい選択肢です。

４：×
血管カを流れる血液は、血管エを流れる血液に比べて尿素が含まれる量が少なくなります。
肝臓で作られた尿素は肝静脈を通り、腎臓で血液から尿中へ放出されるためです。
よって、誤った選択肢です。

５：○
説明文の通りです。
正しい選択肢です。