二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(建築施工) 問22

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問題

二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(建築施工) 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 防水改修工事におけるアスファルト防水の既存下地の処理において、下地コンクリートのひび割れが0.7mmの箇所があったので、その部分をU字形にはつり、シーリングを充填した後、アスファルトルーフィングを増し張りした。
  • コンクリート打ち放し外壁の0.5mmのひび割れを改修する樹脂注入工法において、特記がなかったので、自動式低圧エポキシ樹脂注入工法により行った。
  • アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの塗替えにおいて、モルタル面の下地調整における吸込止めの工程を省略した。
  • 防煙シャッターの更新工事において、スラットはオーバーラッピング形とし、自動閉鎖型の障害物感知装置付とした。
  • 軽量鉄骨壁下地材の錆止め塗料塗りは、現場での溶接を行った箇所には行ったが、高速カッターによる切断面には行わなかった。

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この過去問の解説 (3件)

01

1:誤。

ひび割れが2.0mm以上の場合は、Uカットしてポリウレタン系シーリング材を充填します。

2:正。

0.2mm以上1.0mm以下のひび割れには、エポキシ樹脂注入工法を行います。

1.0mmを超えるひび割れや、挙動のあるひび割れの場合は、Uカットシール充てん工法を行います。

  • 3:正。

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの塗替えにおいては、モルタル面の下地調整に置ける吸込止めの工程を省略します。

  • 4:正。

防煙シャッターの更新工事においては、スラットはオーバーラッピング形とし、自動閉鎖型の障害物感知装置付とします。

  • 5:正。

軽量鉄骨壁下地材の錆止め塗料塗りは、現場で溶接を行った場所には行います。高速カッターによる切断面には、亜鉛による犠牲防食作用が期待できるため行わなくてもよいです。

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02

最も不適当な選択肢は、

「防水改修工事におけるアスファルト防水の既存下地の処理において、下地コンクリートのひび割れが0.7mmの箇所があったので、その部分をU字形にはつり、シーリングを充填した後、アスファルトルーフィングを増し張りした。」

です。

アスファルト防水の既存下地のひび割れは、小さいものであれば、アスファルト防水工事用シール材での補修とします。

ひび割れ幅が0.7mmの場合は、Uカットシーリングを行う必要はありません。

選択肢1. 防水改修工事におけるアスファルト防水の既存下地の処理において、下地コンクリートのひび割れが0.7mmの箇所があったので、その部分をU字形にはつり、シーリングを充填した後、アスファルトルーフィングを増し張りした。

不適当な選択肢です。

アスファルト防水の既存下地のひび割れは、ひび割れの幅が2mm未満か2mm以上で対応が変わります。

2mm未満の場合、アスファルト防水工事用シール材で補修します。

2mm以上の場合、Uカットのうえポリウレタン系シーリング材等を充填します。

また、既存下地の処理後、防水層を形成します。

選択肢の場合は、ひび割れ部分をアスファルト防水工事用シール材で補修し、アスファルトルーフィングを増し張りします。

選択肢2. コンクリート打ち放し外壁の0.5mmのひび割れを改修する樹脂注入工法において、特記がなかったので、自動式低圧エポキシ樹脂注入工法により行った。

正しい選択肢です。

コンクリート打ち放し外壁のひび割れは、ひび割れ幅に応じて対応が変わります。

0.2mm未満の場合、シール工法

0.2mm以上1.0mm以下の場合、樹脂注入工法

1.0mmを超えるの場合、Uカットシール材充填工法

樹脂注入工法の場合、特記が無ければ自動式低圧エポキシ樹脂注入工法とします。

選択肢3. アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの塗替えにおいて、モルタル面の下地調整における吸込止めの工程を省略した。

出題当時(2021年)は正しい選択肢でしたが、現時点(2023年)では根拠資料から上述の内容は削除されており、不適当な選択肢と言えます。

[公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年度版、令和4年版]

モルタル面及びプラスター面の下地調整を行う際、塗替えであれば、吸込止めを省略することが可能でした。

現時点の公共建築改修工事標準仕様書(令和4年版)では上述の記載が削除されており、塗替えであっても吸込止めは塗布する必要があります。

選択肢4. 防煙シャッターの更新工事において、スラットはオーバーラッピング形とし、自動閉鎖型の障害物感知装置付とした。

正しい選択肢です。

シャッターのスラットの種類はオーバーラッピング型とします。

(防シャッターのスラットの種類はインターロッキング型とします)

また、障害物感知装置や急降下停止装置を付ける必要があります。

選択肢5. 軽量鉄骨壁下地材の錆止め塗料塗りは、現場での溶接を行った箇所には行ったが、高速カッターによる切断面には行わなかった。

正しい選択肢です。

現場溶接を行った箇所は亜鉛めっきの防錆皮膜が溶け出して錆びやすくなるため、錆止め塗料を塗ります。

ただし、高速カッター等による切断面の場合は亜鉛めっきが残り、犠牲防食作用が期待できるため、錆止め塗料を塗らなくても良いです。

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03

改修工事に関する問題です。

選択肢1. 防水改修工事におけるアスファルト防水の既存下地の処理において、下地コンクリートのひび割れが0.7mmの箇所があったので、その部分をU字形にはつり、シーリングを充填した後、アスファルトルーフィングを増し張りした。

不適当な内容です。

下地コンクリートのひび割れが0.5㎜を超える箇所は、U字形にはつり、シーリングを充填した後、「ストレッチルーフィング」で増し張りします。

選択肢2. コンクリート打ち放し外壁の0.5mmのひび割れを改修する樹脂注入工法において、特記がなかったので、自動式低圧エポキシ樹脂注入工法により行った。

正しい内容です。

ひび割れが0.2㎜以上1.0㎜以下での樹脂注入工法は、特記がない場合自動式低圧エポキシ樹脂注入工法とします。

選択肢3. アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの塗替えにおいて、モルタル面の下地調整における吸込止めの工程を省略した。

正しい内容です。

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの塗替えにおいて、モルタル面の下地調整における吸込止めの工程は省略することができます。

選択肢4. 防煙シャッターの更新工事において、スラットはオーバーラッピング形とし、自動閉鎖型の障害物感知装置付とした。

正しい内容です。

防煙シャッターのスラットの形状はオーバーラッピング形とし、自動閉鎖型の障害物完治装置付とします。

選択肢5. 軽量鉄骨壁下地材の錆止め塗料塗りは、現場での溶接を行った箇所には行ったが、高速カッターによる切断面には行わなかった。

正しい内容です。

軽量鉄骨壁下地材の錆止め塗料塗りは、現場溶接の施工箇所には行いますが、高速カッターによる切断面には行わなくてよいです。

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