第二種電気工事士の過去問 平成31年度上期 一般問題 問24
この過去問の解説 (3件)
単相3線式回路に関する問題です。
選択肢を1つずつ吟味していきましょう。
もし、機器Aの内部で断線していたら、機器Aには電流が流れません。つまり、機器Aを流れる電流は0Aです。
オームの法則より、電流が0Aならば電圧も0Vのはずです。これは機器Aに150Vの電圧がかかっていることに矛盾します。ゆえに正しい選択肢ではありません。
もし、a線が断線していたら、機器Aには電流が流れません。つまり、機器Aを流れる電流は0Aです。
オームの法則より、電流が0Aならば電圧も0Vのはずです。これは機器Aに150Vの電圧がかかっていることに矛盾します。ゆえに正しい選択肢ではありません。
もし、b線が断線していたら、機器Aには100Vの電圧がかかります。これは機器Aに150Vの電圧がかかっていることに矛盾します。
ゆえに正しい選択肢ではありません。
もし、中性線が断線していたら、機器Aと機器Bにあわせて200Vの電圧がかかります。
このとき、機器Aと機器Bにそれぞれどのくらいの電圧がかかるかは、機器Aと機器Bの抵抗値(またはインピーダンス)の比で決まります。
このとき、機器Aに150Vの電圧がかかることはあり得ます。ゆえに正しい選択肢です。
以上より正解は「中性線が断線している。」です。
機器Aが断線している場合、電気が流れていませんので両端の電圧は0Vになります。
a線が断線している場合も同様に機器Aに電気が流れないので電圧は0Vになります。
b線が断線している場合は、200Vが全て機器Aに流れますので、両端の電圧は200Vになります。
中性線が断線すると、a線とb線の間に200Vの電圧が掛かり、機器Aと機器Bに分圧されます。
機器Aの抵抗値が不明ですが、分圧された結果、150Vを示すことになります。
よって、「中性線が断線している。」が正解となります。
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この問題は出題科目「電気に関する基礎理論」からの出題です。
この問題では下記の知識を求められています。
<必要知識>
◯単相3線式配線方式を理解している。
単相3線式配線方式は定格電圧100Vと定格電圧200Vの機器の両方に電気を供給できる配線方式です。その特性は下記になります。
・2つの負荷抵抗値が等しいなら中性線は0A。
・2つの負荷抵抗値が異なるなら中性線は2つの電流値の差が流れる。
・定格電圧100Vの2つの負荷抵抗のどちらかに100V以上の電圧がかかっている時、中性線が断線している可能性があり、2つの負荷抵抗は直列接続になって各機器には200Vが負荷抵抗値に比例して分圧されて印加される。
それでは上記の必要知識を使って問題を解いていきます。
機器Aの両端に150Vかかっているため、中性線が断線している可能性があり、機器Aと機器Bは直列接続されています。
機器Aの内部で断線している場合、機器Aに電流が流れず機器Aの両端の電圧は0Vになります。よって機器Aの両端の電圧150Vの原因にはなりません。
a線が断線している場合、機器Aに電流が流れず機器Aの両端の電圧は0Vになります。よって機器Aの両端の電圧150Vの原因にはなりません。
b線が断線している場合、電流は機器Aにしか流れず、機器Aに流れた電流は中性線に流れて電源に戻ります。この時、機器Aの両端は100Vの電圧がかかるため、機器Aの両端の電圧150Vの原因にはなりません。
中性線が断線している場合、機器Aと機器Bは直列接続になり、負荷抵抗値に比例した電圧が分圧されるため、定格電圧100Vの機器Aに150Vの電圧がかかる現象が起こり得ます。これは機器Aの両端の電圧150Vの原因と考えられます。
よって正解は「中性線が断線している。」になります。
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