第二種電気工事士の過去問
令和3年度下期 午前
一般問題 問30

正解は、　3　です。

電気事業法における、電気工作物に関する問題です。電気工作物は、

一般用電気工作物、電気事業の用に供される電気工作物、自家用電気工作物

の3つに分類されます。

①一般用電気工作物とは、600V以下で受電しその構内において

電気を使用する為の電気工作物を指し、小出力発電設備も含みます。

（例：一般住宅、コンビニエンスストア等）

※小出力発電設備とは、

・太陽電池発電設備：出力が50kW未満のもの。

・風力発電設備：出力20kW未満のもの。

・水力発電設備：出力20kW未満のもの。

・内燃機関を有する発電設備：出力10kW未満のもの。

・燃料電池発電設備：出力10kW未満のもの。

・同一の構内に設置する上記の設備が電気的に接続され、それらが

設備の出力の合計が50kW以上となるものを除く。

②電気事業の用に供される電気工作物とは、電気事業者が、

電気を供給する為の電気工作物を指します。（例：電力会社の設備等）

③自家用電気工作物とは、上記の①、②以外の電気工作物を指します。

（例：高圧受電工場、ビル等）

問題は、①一般用電気工作物に関して問われていますので、

上記の条件に照らし合わせて回答します。

選択肢1

低圧受電ですが、出力40kWの太陽電池発電設備と電気的に接続した

出力15kWの風力発電設備ですので、出力合計が55 Kwになります。

よって、一般用電気工作物から除外されます。

選択肢2

低圧受電ですが、出力20kWの非常用内燃力発電設備ですので、

一般用電気工作物から除外されます。

選択肢3

低圧受電で、出力30kWの太陽電池発電設備ですので、

一般用電気工作物となります。

選択肢4

高圧受電ですから、一般用電気工作物から除外され

自家用電気工作物となります。

よって、正解は、　3　です。

１：×

低圧受電で、受電電力30kW、出力40kWの太陽電池発電設備と電気的に接続した出力15kWの風力発電設備を備えた農園は、一般用電気工作物の適用を受けません。

発電設備の出力は、2つを合計した40＋15＝55kWを適用します。

一般用電気工作物の適用を受けるものは、発電設備は出力50kW未満のものになります。

２：×

低圧受電で、受電電力30kW、出力20kWの非常用内燃力発電設備を備えた映画館は、一般用電気工作物の適用を受けません。

内燃力発電設備は出力が10kW未満である場合、一般用電気工作物となります。

３：○

低圧受電で、受電電力30kW、出力30kWの太陽電池発電設備を備えた幼稚園は、一般用電気工作物の適用となります。

４：×

高圧受電で、受電電力50kWの機械工場は、一般用電気工作物の適用を受けません。

一般用電気工作物の適用を受けるものは、全て低圧受電です。

正解は３です。

この問題は出題科目「一般用電気工作物の保安に関する法令」からの出題です。

この問題では下記の知識を求められています。

＜必要知識＞

◯一般用電気工作物の条件を理解している。

電気工作物は３種類に分類され、電気事業に必要な電気事業用電気工作物、高圧で受電する自家用電気工作物、低圧で受電する一般用電気工作物です。

その中で第二種電気工事士が取り扱うものは一般用電気工作物になり、下記が一般用電気工作物の条件になります。

・電気事業者から６００［V］以下の低圧受電したもの

・小出力発電設備（太陽光、風力、水力など）を同一構内に施設する場合、それは一般用電気工作物とするが出力合計が５０k W以上は除外。

・小出力発電設備の各出力条件（太陽電池発電５０kw未満、風力発電設備２０kw未満、水力発電設備２０kw未満、内火力発電設備１０kw未満、高分子型または固体酸化物燃料電池発電設備１０kw未満）

・低圧受電でも薬類取締法に規定する火薬類を製造する事業場に設置されているものは、一般用電気工作物でなく自家用電気工作物に該当する。

それでは上記の必要知識を使って問題を解いていきます。

解答１は出力合計が５０k W以上のため一般用電気工作物の適用を受けません。

解答２の内火力発電設備は１０kw未満が条件のため一般用電気工作物の適用を受けません。

解答３の太陽電池発電は出力５０kw未満のため一般用電気工作物の適用を受けます。

解答４は高圧受電のため一般用電気工作物の適用を受けません。

よって正解は３になります。