第二種電気工事士の過去問 令和4年度上期 午後 一般問題 問5
この過去問の解説 (4件)
正解は「3」の9.6<kw>です。
単純に考えて三相回路は一相の3倍になるものと考えます。
一相回路の抵抗(インピータンス)を求める公式はZ=√R12+√R22で求められます
Z=√82+√62
=√64+√36
=√100
=10<Ω>
オームの法則から電流を求めます。
I=V/Ω
=200/10
=20<A>
消費電力を求める公式で消費電力を求めます。
P=R×I2×3
=8×202×3
=9.6<kw>
つまり、「3」の9.6<kw>になります。
正解は 3 の 9.6[kW]です。
三相三線式回路の全電圧は以下の式で求められます。
P=3×Ip2×R[W]
このうちR(抵抗のみを考慮します)は8[Ω]です。
Ipを求めます。
Ip=E/Z
ここでE=200[V]
Z=√(62+82)=10[Ω]
よってIp=20[A]
計算するとP=3×20×20×8=9600[W]=9.6[kW]となります。
三相電力については一見難しそうですが、普通の電力(I2R)を3倍しただけです。
また、インピーダンスZの計算についても三平方の定理が必要ですが、電気工事士の試験は電卓が利用できないため、ある程度パターンが決まっています。
R=3、X=4→Z=5
R=6、X=8→Z=10 など(RとXが入れ替わっても成立します)
正解は 3 の 9.6[kW]です。
三相3線式回路の全消費電力を求める公式 P =3Ip2R
回路のインピーダンスを求める公式 Z =√(R2 + X2)
を思い出してください。
まずは、一相分のインピーダンスを求めます。
Z =√(R2 + X2)より、
Z =√(82+62)
=√100
=10[Ω]
次に、回路に流れる電流を求めます。
この問題の場合は Δ結線なので、線間電圧 Vℓ= 相電圧 Vpとなり、
線電流 Iℓ= √(3)× 相電流 Ipとなります。
Ip=V / Z より、
Ip= 200/ 10
=20[A]
全消費電力を求めます。
P =3Ip2Rより、
P =3× 202× 8
=3× 400× 8
=9600 [W]
=9.6[kW]
☆補足☆
三相回路の全消費電力の式を P =3Ip2Z =3V I と間違えがちですが、これは皮相電力と言われるものです。今回求めた値は、有効電力という、負荷が実際に消費する電力です。
皮相電力は有効電力と無効電力のベクトル和になります。
つまり、有効電力と皮相電力は等しい関係ではないということです。
有効(消費)電力では R
無効電力では L または C
皮相電力では Z
の成分となっています。
余裕があれば覚えておきましょう。
三相3線式回路のデルタ結線では、三角形の各配線に掛かる電圧を相電圧と言います。相電圧を V [V]、線間電圧を VL [V]とすると、
V [V] = VL [V]
となります。線間電圧は、中性線の上側と、下側の間の電圧で、
VL [V] = 200 [V]
です。
デルタ結線の1つの相結線には、抵抗とコイルがあるため、配線のインピーダンスは R は、
R [Ω] = √82+62 = 10 [Ω]
となり、結線を通る相電流 I [A]は、
I [A] = V/R = 200 [V]/10 [Ω] = 20 [A]
です。
結線の中で消費する電力は、抵抗での有効電力 P [W]となるため、
P [W] = RI2 [W] = 8 [Ω] × 202 [A] = 3200 [W]
です。
デルタ結線ではこの結線が3相あるため、
全消費電力 = P [W]×3 = 3.2 [kW] × 3 = 9.6 [kW]
となります。
×
誤りです。
×
誤りです。
○
正解です。
×
誤りです。
<補足>
デルタ結線とスター結線に関する問題は、ほぼ必ず出題されます。
問題は、いろいろな形態で出されますが、
・線電流と相電流
・線間電圧と相電圧
これらの関係を、それぞれの結線方式で、押さえておけば、どのうような形態の問題でも対処可能です。
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