本問は、過電流遮断器によって分岐回路の過電流遮断器の設置状況を問う問題です。
分岐回路の種類に応じて、過電流遮断器の定格電流、コンセントの定格電流、電線の太さが決められています。
簡単な表を以下に示します。この表から、選択肢4つを吟味すれば、解答が得られます。
――――――――――――――――――――――――――――
過電流遮断器の コンセントの 電線の太さ
定格電流 定格電流
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
15 A以下 15 A以下 直径1.6 mm以上
――――――――――――――――――――――――――――
15 A超え
20 A以下 20 A以下 直径1.6 mm以上
――――――――――――――――――――――――――――
20 A超え 20から30 A 直径2.6 mm以上
30 A以下 (断面積5.5mm2以上)
――――――――――――――――――――――――――――
30 A超え 30から40 A 断面積8mm2以上
40 A以下
――――――――――――――――――――――――――――
40 A超え 40から50 A 断面積14mm2以上
50 A以下
――――――――――――――――――――――――――――
＊この表は、「電気設備技術基準の解釈」第149条の149-1表と149-3表の規定に基づいています。
×
コンセント20Aは良いのですが、電線の直径が2.0mmは誤りで、2.6mm以上です。
×
コンセントは20Aですので30Aは誤りです。電線直径1.6mm以上ですので2.0mmはOKです。
×
30A以下ではコンセントは20～30A、30A超えではコンセントは30～40Aで、15Aのコンセントは誤りです。なお、電線のサイズ2.6mm以上はOKです。
○
20Aの遮断器に対し、コンセントが20AはOKです。電線サイズは1.6mm以上ですので、2.0mmはOKです。
この問題は頻出問題です。表を覚えるしか、方法はありません。
なお、20A以下の遮断器から屋外へ配線するときに、15m以下でなければ、開閉遮断器を設ける規定がありますが、問題に配線用遮断器からコンセントまでは8mとあるため、特に気にすることはありません。
この問題では、遮断器の容量や電線の太さによって定まるコンセントの容量をまとめた表を基に回答する必要があります。
パターン化された問題ですが、表を暗記するのは大変です。
遮断器容量 [A] 最小電線太さ コンセント容量 [A]
単線 [mm] 撚り線 [mm2]
15 1.6 2 15 以下
20（ヒューズ） 2.0 3.5 20
20（配線用） 1.6 2 20 以下
30 2.6 5.5 20 ～ 30
40 3.2 8 30 ～ 40
50 --- 14 40 ～ 50
電線の直径 2.6 [mm] 必要です。
遮断器容量がコンセント容量に対して少ないです。
コンセント容量が 20[A] 以上必要です。
条件を満たしています。
この問題のポイントは以下のようになります。
①配線用遮断器の容量に対して電線（軟銅線）の太さは適正か。
②配線用遮断器の容量に対して適正なコンセントを選定しているか。
電線サイズと定格容量の関係性を覚える必要があります。
配線用遮断器30Aに対しての電線（軟銅線）の太さは2.6ｍｍになります。この図では2.0ｍｍとなっているため不適切です。
配線用遮断器20Aに対して2.0ｍｍの電線を採用しているので問題はありませんが、コンセントが30Ａとなっているため不適切です。
分岐回路内で配線用遮断器の容量よりも大きい器具を設置する事はできません。
配線用遮断器30Aに対して2.6ｍｍの電線を採用しているので問題はありませんが、コンセントが15Ａ×2個となっているため不適切です。
この図の回路で適正なコンセントの容量は20～30Ａとなっています。
配線用遮断器20Ａに対して2.0ｍｍの電線を採用しコンセントの容量も20Ａのコンセントを設置しているので問題ありません。なので適切です。
配線用遮断器・電線・器具容量の関係はセットで覚える必要があり、大変ですが類似問題も頻繁に出題されているので繰り返し問題を解いて問題のコツを掴む事をお薦めします。
