第二種電気工事士の過去問
令和4年度下期 午後
一般問題 問14
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問題
第二種 電気工事士試験 令和4年度下期 午後 一般問題 問14 (訂正依頼・報告はこちら)
三相誘導電動機が周波数50Hzの電源で無負荷運転されている。この電動機を周波数60Hzの電源で無負荷運転した場合の回転の状態は。
- 回転速度は変化しない。
- 回転しない。
- 回転速度が減少する。
- 回転速度が増加する。
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この過去問の解説 (3件)
01
今回の問題は、三相誘導電動機の回転数の問題です。
三相誘導電動機の回転数については、次の式で求められます。
N = NS × (1-s)
NS = (120 × f)/P [min-1]
ここで、NS は、磁界の回転速度、s はすべり、f は周波数、P は電動機の極数で、N が回転数です。
s 、P は、電動機固有のパラメータですので、変えられるものは、周波数 f だけです。ということから、回転数は、周波数 f によって変動します。
NS = (120 × f)/P から、回転数は、周波数が高いほど、回転数が高くなることが分かります。
×
周波数によって回転数は変化します。
×
周波数によって回転すが変わるため、回転が止まることはありません。
×
周波数が高くなると、回転数が上がるのであって、低くなることはありません。
○
正解です。
<参考>
回転数は、N = NS×(1-s) から、すべり量によって変化します。
電動機は巻線に電流を加えて回転磁界が出来上がり、回転によって誘導起電力が発生します。これを行うためには、回転磁界と回転子間の速度差で起こります。この速度差が、すべり、です。
すべりが 1 のときは電動機が停止している時で、誘導モータのすべり量は2~3%で、小型モータではもう少し大きい値になります。
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02
同期速度の公式
Ns= 120f / p [min-1] より、回転速度は N = 120f ( 1 - s ) / p [min-1] と表せます。
三相誘導電動機の無負荷運転では、すべり s がほぼ0となるため、
N = 120f / p [min-1] となります。
以上より回転速度は周波数に比例するため、周波数を上げると回転速度も上昇します。
上記説明より、誤りです。
上記説明より、誤りです。
上記説明より、誤りです。
正解です。
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03
この問題は三相誘導電動機の周波数と回転数が比例関係であるという事を理解しているかがポイントとなります。
三相誘導電動機は電流を流して磁界を回転させます。この時、1分あたりの回転磁界の回転数を同期速度といい、Nsで表します。公式は次のようになります。
同期速度Ns[min-1]=(120×周波数f[Hz])÷極数p‥①
また、誘導電動機自体の回転数をNで表し、次のようになります。
回転速度N[min-1]=同期速度Ns×(1-S)‥②
※S:すべり(回転速度が同期速度よりも遅い状態)
以上よりまとめると、同期速度Nsは周波数f[Hz]に比例し、回転速度Nも同期速度Nsに比例している事がわかります。すなわち、三相誘導電動機では周波数と回転数が比例関係であるといえます。
周波数と回転数は比例関係であり、問題では周波数50Hzから周波数60Hzとなっているため回転速度は変化します。よって不適切です。
上記解説の説明より、周波数が0ではない限り、回転するので不適切です。
問題文では周波数が50Hzから60Hzとなっており、上昇しているので回転速度は減少しません。なので不適切です。
周波数と回転数は比例関係であるから、周波数が50Hzから60Hzとなった場合、回転速度は増加するので適切です。
三相誘導電動機は回転数とすべりが重要となり、そのどちらにも周波数が関わる事を理解しておきましょう。
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