第二種電気工事士の過去問
令和5年度上期 午前
配線図 問6

この問題のポイントは3つあります。

①使用電圧に対する許容される絶縁抵抗の最小値［MΩ］を覚える。

②対地電圧と使用電圧の違い。

③分電盤図【L-1】を読み解けるか。

それでは、1つずつ整理していきます。

①の基準値は以下のようになります。

(a)電路の使用電圧300V以下で対地電圧が150V以下の場合‥‥0.1［MΩ］

(b)電路の使用電圧300V以下で上記(a)以外の場合‥‥0.2［MΩ］

(c)電路の使用電圧300Vを超過した場合‥‥0.4［MΩ］

②対地電圧と使用電圧の違いについて

・対地電圧‥‥電路と大地(接地線：アース)間の使用電圧

・使用電圧‥‥実際に機器で使用する電圧(照明、コンセントなど)、線間電圧ともいいます。

③分電盤図【L-1】の問題⑥部分を整理すると以下のようになります。

　回路番号：I

　名称：屋外灯

　ブレーカー：使用電圧200V　極数2P　許容電流20A

次に対地電圧を見ていきます。

着目する箇所は分電盤図【L-1】の屋外側です。

　1φ3W：単相3線式

　100/200V：100Vと200Vの併用ができます。

また、盤図を見ると接地(アース)を施しているので単相3線式の各相に流れる電圧は以下のようになります。

　R相(赤)‥‥100V(電路)

　N相(白)‥‥0V(中性点)

　T相(黒)‥‥100V(電路)

中性点N相と接地(アース線)は繋がっているので大地と見ます。ですのでこの回路の対地電圧は次のようになります。

　対地電圧R-N間＝100V

　対地電圧T-N間＝100V

　線間電圧R-T間＝200V

以上の事から整理すると使用電圧200Vで対地電圧が100Vになるので絶縁抵抗値は0.1［MΩ］になります。

絶縁抵抗は使用電圧と対地電圧の区分によって基準が異なります。

使用電圧300V以下の対地電圧150V以下：0.1MΩ

使用電圧300V以下の対地電圧150V以下：0.2MΩ

使用電圧300V超過：0.4MΩ

配線図の⑥のブレーカーの仕様を確認すると

使用電圧：200V　極数：2P

であることがわかります。

分電盤L-1の図、右下からアースが施されていることもわかります。

各相間の対地電圧、線間電圧は以下のようになります。

対地電圧R-N：100V

対地電圧T-N：100V

線間電圧R-T：200V

よって⑥の場所での絶縁抵抗は

使用電圧300V以下の対地電圧150V以下：0.1MΩ

の条件が当てはまるので、0.1MΩになります。

絶縁抵抗値は下記の通りです。

　・単相3線式（対地電圧150V以下）絶縁抵抗値は0.1MΩ以上

　・三相3線式（対地電圧150Vを超える）絶縁抵抗値は0.2MΩ以上

よって絶縁抵抗値の最小値は0.1MΩとなります。