第二種電気工事士の過去問
令和5年度下期 午前
一般問題 問14

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問題

第二種 電気工事士試験 令和5年度下期 午前 一般問題 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

必要に応じ、スターデルタ始動を行う電動機は。
  • 一般用三相かご形誘導電動機
  • 三相巻線形誘導電動機
  • 直流分巻電動機
  • 単相誘導電動機

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この過去問の解説 (2件)

01

スターデルタ始動とは、誘導電動機の始動電流を抑えるための始動方式です。

 

誘導電動機は、内部にある電機子巻線に三相交流を流すことで回転力を生み出す機器になります。

誘導電動機の種類は以下の2つです。

 

①かご形誘導電動機

②巻線形誘導電動機

 

①と②には大きな違いがあります。

それは②の巻線形誘導電動機は、電動機内部の電気回路が外部に取り出されているのに対し、①は外部に取り出されていない点です。

 

②は外部に電気回路が取り出されているので、抵抗の値を変えて、電動機にかかる電圧を調整できますが、①は電圧を調整できません。

そのため、①は②と比較して始動時に大きな電圧をかけることになるので、始動電流も非常に大きくなります。

通常、①のかご型誘導電動機の始動時に流れる始動電流は定格電流の6~8倍です。

 

このような大きな電流に耐えられるように遮断器の容量を大きくするとコストがかかり、現実的ではありません。

そのため、始動電流を小さくする必要があります。

そのための方法がスターデルタ始動です。

 

スターデルタ始動を用いると、始動電流の値を通常の1/3まで抑えることができます。

容量が5.5KW以上の大きな電動機に用いられています。

選択肢1. 一般用三相かご形誘導電動機

解説の通り、スターデルタ始動はかご形誘導電動機に使用される始動方式なので、正解です。

選択肢2. 三相巻線形誘導電動機

巻線形誘導電動機は、解説の通り、2次型の抵抗を変更して、電動機にかかる電圧や流れる電流を調整できるので、スターデルタ始動は使用しません。

 

よって不正解です。

選択肢3. 直流分巻電動機

スターデルタ始動は三相交流で動く誘導電動機に用いられる始動方式です。

直流の電動機には使用できません。

よって不正解です。

選択肢4. 単相誘導電動機

スターデルタ始動は三相交流で動く誘導電動機に用いられる始動方式です。

単相交流の誘導電動機には使用できません。

よって不正解です。

 

まとめ

スターデルタ始動は以下の2つが当てはまる誘導電動機に用いられる始動方式というポイントを押さえましょう。

 

・三相交流の誘導電動機

・かご形誘導電動機

 

また、スターデルタ始動を行うことで、始動電流を通常の1/3に抑えられるという点も非常に重要です。

こちらも併せて覚えておいて下さい。

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02

電動機の始動には、必要に応じた始動法があります。

電動機の始動として、電動機の電源を一括投入すれば、大きな容量の電動機ですと、定格電流の5倍から8倍の電流が流れます。

そのため、始動初期には電流を押さえる回路で始動し、電動機の回転が安定した所で、本来の電動機の始動する回路で運転するという方式が過電流を避ける始動法が取られます。

選択肢1. 一般用三相かご形誘導電動機

三相かご形誘導電動機では、スターデルタ始動法を用います。

スターデルタ始動法は、始動開始時に固定巻線をスター結線(Y結線)で始動して電流を1/3程度に抑えます。

電動機が定格速度に達したときに、結線をデルタ結線(Δ結線)に切り替えます。

選択肢2. 三相巻線形誘導電動機

巻線形誘導電動機の始動法は、二次巻線に始動抵抗器を接続して始動します。

回転速度が上昇するにしたがって、抵抗を小さくしていきます。

速度が十分になったところで、すりっピリングを短絡して運転します。

選択肢3. 直流分巻電動機

電機子に直列に可変抵抗を入れて始動電流を押さえる方式です。

選択肢4. 単相誘導電動機

一次巻線より90°正回転位置に始動巻線を設置し、単相電源を90°近い位相差に不平衡な2相交流として楕円回転磁界として、始動トルクを得ます。

参考になった数2