第二種電気工事士 過去問
令和6年度上期
問14 (一般問題 問14)
問題文
三相誘導電動機の始動において、全電圧始動(じか入れ始動)と比較して、スターデルタ始動の特徴として、正しいものは。
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問題
第二種 電気工事士試験 令和6年度上期 問14(一般問題 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
三相誘導電動機の始動において、全電圧始動(じか入れ始動)と比較して、スターデルタ始動の特徴として、正しいものは。
- 始動時間が短くなる。
- 始動電流が小さくなる。
- 始動トルクが大きくなる。
- 始動時の巻線に加わる電圧が大きくなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、三相誘導電動機についての問題です。
スターデルタ始動は、スター結線しで始動し安定した後デルタ結線に切り替わるため
じか入れよりも逆に始動時間は遅くなります。
その為、正しくありません。
スターデルタ始動は、じか入れよりも始動電流が小さくなるという
特徴があります。
その為、正解です。
スターデルタ始動では、じか入れよりも逆にトルクは小さくなる
特徴があります。
その為、正しくありません。
スターデルタ始動では、巻線に加わる電圧は、逆に小さくなります。
その為、正しくありません。
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02
スターデルタ始動は、始動時に電動機の巻線を「スター結線」に切り替えて始動電流を抑え、その後通常の運転状態で「デルタ結線」に切り替える始動方式です。
スターデルタ始動では、始動時間が短くなるわけではありません。切り替え時間があるため、全電圧始動より始動時間が長くなることがあります。
正しいです。スターデルタ始動では、全電圧始動に比べて始動電流が小さくなります。これはスター結線時に巻線に加わる電圧が低減されるためです。
スターデルタ始動では、始動トルクが小さくなります。スター結線時に加わる電圧が低いことが原因です。
スター結線時の巻線に加わる電圧は全電圧の1/√3 となるため、加わる電圧は小さくなります。
スターデルタ始動は、全電圧始動に比べて始動電流を抑えられる特徴があります。
始動時の巻線に加わる電圧が低減されるため、始動トルクも低下します。
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03
三相誘導電動機は、始動時に定格電流の4~8倍の大きな電流が流れる特徴があります。
始動電流が大きい状態でモータを使用し続けると、モータの寿命が縮むだけでなく、故障や火災発生のリスクも高まるので、始動電流は可能な限り小さくする必要があります。
スターデルタ始動は、始動電流を小さくする方法の1つです。
以下の図は、スター結線と、デルタ結線を示しています。
図の黒の「V」は電源電圧、Zは誘導電動機の巻線のインピーダンスです。
スター結線とデルタ結線には以下のような特徴があります。
・スター結線
1. 巻線にかかる電圧が電源電圧の1/√3になる
2. 回路に流れる電流IYと巻線に流れる電流の値は同じ
・デルタ結線
1. 電源電圧Vと巻線にかかる電圧は同じ
2. 巻線に流れる電流値は、回路に流れる電流IΔの1/√3になる
上記の特徴を考慮して求めたIYとIΔが以下の式です。
IY=V/(√3×Z)
IΔ=(√3×V)/Z
上記の式からスター結線時に流れる電流値は、Δ結線で流れる電流値の1/3であることが分かります。
(IYをIΔで割ると1/3になるため)
じか入れ始動の回路は、デルタ回路なので、始動時をスター結線にすれば、始動電流をじか入れ始動の1/3に抑えることができます。
これがスターデルタ始動法です。
ただし、スターデルタ始動法には以下の欠点があります。
1. スター結線で始動電流を抑えた後にデルタ結線に切り替えるので、始動時間が長くなる
2. 始動電流が小さくなるので、始動時のトルクが小さくなる
解説の欠点の通り、スターデルタ始動法は、スター結線で始動電流を抑えた後にデルタ結線へ切り替えるので、始動時間が長くなります。
従って不正解です。
解説の通り、始動電流は、じか入れ始動の1/3になるので正解です。
始動トルクの大きさは、始動電流の大きさに比例するため、スターデルタ始動法では、じか入れ始動と比較して始動トルクが1/3になります。
従って不正解です。
始動時の回路はスター結線で、巻線に加わる電圧は電源電圧の1/√3になります。
従って不正解です。
スター結線とデルタ結線の特徴は非常に重要なので、しっかりとおさえておきましょう。
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